記事
全米オープン最終予選会 ツアーメンバー4人が出場権を獲得!
1日36ホールが実施されるこの最終予選会には、2009年から2010年『つるやオープン』までの優勝者と2009年賞金ランキング25位までのツアーメンバーを始め、今年も海外から多くのエントリーがあった。総勢32名で争われたこの予選会から、今年の出場権を獲得できるのは4名。
前日から雨が降りしきるタフなコンディションの中、今年の出場権を勝ち取ったのは藤田寛之、谷口徹、ポール・シーハン、横尾要と、4名全てがジャパンゴルフツアーメンバーとなった。
この日も上位に来たのは、絶好調のこの2人。
15アンダーと驚異的なスコアを叩き出した藤田寛之に、先々週に開催された『日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯』でリベンジを果たした谷口徹だ。
谷口は、ホールアウトするなり、「勝ちに行っただけに悔しいなぁ」と首をひねった。
『つるやオープン』『日本プロ』で、藤田寛之と優勝を分け合い、この最終予選会でも練習ラウンドを一緒に回った。
その時は藤田に譲る形になっただけに、本戦ではトップ通過を狙った。1ラウンド目を終えて、藤田の7アンダーという結果を聞き、燃える男に更に火が付いた。
藤田いわく「前の組だったんですけど、僕に見えるようにガッツポーズばかり。」と言わせる程のバーディラッシュ。怒涛の4連続バーディを含め7アンダーを出して、予選通過は既に当確していた。
「飛行機の手配も済んでいるから」と、予選会を迎える前から出場するのは当然のことだった。
なぜなら、USPGAツアーで活躍中の今田竜二との再開の約束もあったからだ。イチ早く出場を決めた今日、親友に嬉しい報告ができる。
「プレッシャーを与える意味でも、練ランの予約を入れておくって連絡しておこうかな」。
自身、7回目の全米オープンになるものの、ペブルビーチでプレーするのは初めて。「全米オープンに行かなくなったら、人生の張り合いがなくなるから。」と俄然やる気も増すばかりだ。
しかし、今日はこのスコアでも脇役に回るしかなかった。
谷口を上回るスコアに、藤田は「7アンダーはすごいですね。ただ僕は8アンダーですけどね」とニヤリ。
これまでアメリカで2回、日本で2回の計4回の予選会を受けても手が届かなかった憧れの舞台への出場権を、40歳になって初めて獲得した。
「権威のある大会」と位置付ける今大会は、藤田の中で世界一のトーナメントと言っても過言ではない。「全世界の予選会を勝ちあがって来た選手を含め、USPGAツアーの優勝者とか決められた選手しか出れない試合ですもん。」
今年は既に1勝を挙げ、優勝争いにも何度も食いこんでいる。24日付で発表されたオフィシャルワールドゴルフランキングでは55位にランクインし、充実したシーズンを送っているだけに、全米オープンに期待する事はズバリ「世界一のセッティングに苦しめられたい」。
それでも「日本代表で行くんだから、一つでも上の順位を」と更なる飛躍を誓った。
また、出場権を勝ち取ったポール・シーハンは、「藤田さんのファンタスティックなプレーに引っ張られて、自分も楽しく出来たのが今日の結果」と話す。
本戦が行われるペブルビーチでは、2007年に一度プレーしている経験もあるだけに心強い。
「自分が大好きなコースの一つ。そこで開催される全米オープンにチャレンジできて、非常にエキサイティングな気持ち」と喜びを語った。
同じく横尾要もこのコースをよく知る一人。
USPGAツアーに参戦した際に、ラウンド経験があり、「今年は予選通過の可能性が高いコース」と分析する。
初出場した1999年以外は全て予選落ちしており、「観光だけでは終わりたくない」と意気込む。
この4名以外にも、全米オープンには、既に出場資格を得ている石川遼・池田勇太も出場予定となっている。