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つるやオープン 2010
つるやオープン初日は雨のため中止
これにより予選の第1ラウンドは、翌23日(金)に、さらに第2ラウンドは24日(土)に順延。決勝の第1ラウンドは、25日(日)の1日で行う。競技は54ホールに短縮する。
悪天候にもかかわらず、早朝より会場の兵庫県・川西市の「山の原ゴルフクラブ 山の原コース」には422人ものギャラリーが駆け付けてくださった。
中止の決定の際も、そのほとんどがまだ会場に残られていた。
スタート時刻が、約1時間ごとに見合わされるというハプニングにも根気よく、そのときを待ってくださった方々だ。
「せめてものお詫びと感謝を」と、真っ先に飛び出して行ったのは、地元・関西のドン。
率先して、ギャラリーが差し出す色紙やパンフレットにサインペンを走らせる杉原輝雄のあとを追い、他のツアーメンバーたちも次々と顔を見せた。
ベテラン勢では倉本昌弘や室田淳、井戸木鴻樹、鈴木亨。中堅どころなら兼本貴司に細川和彦、山下和宏、武藤俊憲らがズラリ。
中には、はるばる岡山から来て下さった熱心なファンもいて、初日の中止を残念がられていたが、「でも晴れていたら、こんなにたくさんのサインをいただけることなんてなかったから。中止になって良かったかも」と、言ってくださる方もいて、選手たちを喜ばせた。
特に、杉原のサインを求める長い列。
その最後に並んだのは他でもない、サイン会に参加した他の選手たちだった。
倉本のこんな誘惑にみな、その気になった。
「俺たちも、杉原さんのサインをもらっておいたほうがいいかも。いつ来られなくなるかも分からないから。貴重だよ!」。
杉原のかたわらで、しきりにそう繰り返してギャラリーを笑わせる倉本を、そのたびに一応ぶつような仕草をして抵抗を見せていた杉原だったが、最後には納得顔で「そうや、僕は来年にもここにおらんかもしれん」。
その言葉にいそいそと色紙を差し出したのは、鈴木と細川と兼本だ。
そして、サインどころか「何かメッセージも書いて」と、申し出た。
快く応じた杉原は、鈴木の色紙に「大きな心」と書いた。
細川には「努力」、兼本には「根性」と書き込んだ。
「なんか、深い・・・」と、めいめいつぶやいた選手たち。
ファンのみなさんのみならず、迎えるプロたちまでもがお互いに、思いがけない交流の時間を持った大会初日を、杉原が締めくくった。
ギャラリーに向かってマイクを握り、「今日はみなさんを4時間も5時間もお待たせした上に、中止になってしまって申し訳ない。ぜひまた天気が良いときにお越しください。つるやさんの社長に代わって、僕からもお願いします!」。
なお、本日ご入場いただいたギャラリーのみなさまには前売り券、当日券にかかわらず、チケットの払い戻しをさせていただきます。
またのお越しを、選手一同心からお待ちしております。