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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2008

岩田寛「どんな試合でもいいから勝ちたい」

昨年2日目に2発のOBで9打をたたいたホールで、またもや悪夢だ。460ヤードの14番パー4。ティショットを大きく左に曲げた。枯れ葉の上に落ちたボールの下に、長い枯れ枝が隠れていたことまでは、確認できなかった。
知らずに構えを取ったとき、足でその枝を踏んづけた。その弾みでボールが5メートル以上も転がり落ちた。

1打罰を食らった上に、ラフを渡り歩いて5オン2パットのトリプルボギー。「低い球を打とうと思って無理をした」と悔やんだが、「でも去年より2打、少ない」と、すぐに前を向いた。
「あのホールに塩をまいておこうかな」と、冗談も飛び出した。

首位の星野とは3打差ついたが、「まだ3日目だったから良かった」と、すぐに気持ちを切り替えた。

「質問されれば話すけど…」。
自ら饒舌に語るタイプではない。ラウンド中もかっきりと真一文字に閉じられた口元。
どちらかといえば、寡黙。
あまり感情も表さず、淡々とプレーしているようにも見えるが、「内に秘めているものは相当ある」とは、コーチの江連忠の証言だ。

最終日を前に「気持ちの高ぶりはあります」と、岩田。
「どんな試合でもいいから勝ちたい」。
ツアー初優勝が、このツアープレーヤーNO.1決定戦なら、言うことはない。

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