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フジサンケイクラシック 2010
横田真一は「このままずっと上にいてくれ」
面白いようにチャンスを決めていく55歳。38歳も、うかうかしていられない。「室田さんにつられた」と、いよいよ568ヤードの17番パー5で、この日最初のバーディを決めた。
グリーン横まで運んだアプローチを2メートルに寄せた。さらに次の18番でも2メートルのチャンスを沈めて流れを掴んだ。
3年前にかかった腕の腱鞘炎は、今年に入ってほぼ完治。トレーニングでインナーマッスルを鍛え、「あとは皇潤(こうじゅん)のおかげです」。サポート契約を結ぶエバーライフ社の高級サプリメントの名をあげて、その効果のほどに感謝する。
痛みの軽減とともに、飛距離が戻ったことが、何より嬉しい。
「怪我をしていたときより10ヤードは伸びている」と、総距離7405ヤードのここ富士桜でも、長いパー5で再三2オンを狙えることに、回復のほどを実感出来た。
富士山からの目があると言われるグリーンも、下調べはばっちりだった。
コースから、車でわずか5分のところに「隠れ家」ならぬ、別荘がある。
500坪の「3LDK」ならぬ「3LいろりDK」は、シード落ちを喫した2006年に、「静かに練習出来る場所が欲しい」と購入した。
横田自ら手を入れたアプローチ練習用のグリーンとお手製のバンカーもある。
予選落ちを喫した先週は、週末に先乗りして練習を積んだ甲斐はあった。
ホールアウトした時点では、首位タイにポツリとつぶやく。
「トップは、やっぱり嬉しい。頼むから、このままずっと上にいてくれ」。
願いは届かず、石川に抜かれて2位タイに沈んだが大会はまだ3日も残っている。最終日にこそ、思いを叶える。