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日本オープンゴルフ選手権競技 2011

シード権の保持がかかる手嶋多一が好発進

自分でも、思いがけない好発進?! 手嶋が2井タイに
スタートの1番からいきなり暗雲。「今日も朝一にボギーが先行して、どうなることか、と」。さらに5番もボギーとして、さっそくの諦めムードも、プロキャディの佐々木孝英さんに「まだまだ、耐えていきましょう」と、励まされて天才が目を覚ました。

ラフが生い茂る難コースで、「ピンを狙わず真ん中狙い」。徹底した安全策で、チャンスを呼び込む。前半の9番でクリーク、7番アイアンとつないで6メートルにつけたバーディトライが決まった。
さらに10番で、連続バーディを奪ってイーブンパーの振り出しに戻すと、練習日は刻んでいた12番で、思い切ってドライバーを握り狭いフェアウェイのど真ん中を捕らえると、95ヤードの第2打を直接決めた。

パー4でイーグルを奪ったあとは「耐え耐え」と、しぶとくこらえて2アンダーで上がってきた。

普段のツアーと出場カテゴリーが異なるこのゴルファー日本一決定戦は、2001年の歴代チャンピオンが、今年ちょうど期限となる10年間の“シード権”で、辛くも権利を得た。

ジャパンゴルフツアーのシード権は、昨年まで15年間守り続けてきた。今年は、残り6戦となった今もなお獲得賞金は500万円にも満たずに、陥落の危機を迎えている。
ジュニア時代は“九州の怪童”と呼ばれた天才肌も、今年43歳を迎えて息切れしている。
「体力、それと精神力。上位で争っていても、最終日にガクっとなったり。最後まで気持ちが続かない。そうなると、ゴルフも前向きに出来なくなる」と、現在の賞金ランキングも94位に甘んじている。

キヤノンオープンで「ダントツ」の最下位スタート(108位)をしておきながら、今週は2位発進に「ちょっと笑える」と、先週は初日80の大失態を自ら茶化しながらも、思いは切実。
「めちゃくちゃ焦ってます。今週こそしっかりと稼ぎたい」。
賞金総額2億円の今大会で、遅れを一気に取り返す。

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