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とおとうみ浜松オープン 2012

岩田寛は「大事なのは心」

最後の9番ホールは、「さすがに腹立った」。第2打は、グリーン奥にある池のことなど、頭になかった。今週キャディの宮崎鉱一さんに「大丈夫、バンカーに入っているよ」と、言われてその気になっていたからなおさら、「行ってどこを探してもないから、池に落ちた」と、分かった瞬間にはイラっとしかけたが、そんなときこそ思い出すのは「昨日のこと」。

遅刻寸前の初日はミスするたびに、「バチが当たった」と、自ら戒めることで、怒りとは無縁でいられた。
「いつもはそれで崩れていくので」。

2日目も前日の自分の失態を忘れずにいたことで、引き続き謙虚な気持ちでいられた。
9番も、「それですぐに切り替えられた」と、ドロップした4打目もピンそばのパーセーブが出来た。

この日は強い風の中でも2つスコアを伸ばして通算8アンダーにして、2位タイで決勝ラウンドに進めたのも、すべては「心」。好スコアの要因は「心」と岩田は言った。

今まで何度か繰り返してきた優勝争いも、悲願のツアー初Vまで到達できないでいるのも、そこに尽きると改めて悟った。「気持ちのコントロールも技術のひとつかなって、いま思いました」と、ぽつりと言った。

再び巡ってきたチャンスも「今度はイライラしないで出来ると思う」。
寝坊して、大恥をかいたがその甲斐はあった、と最終日にこそ、言えたらいい。

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