14日に開幕する「タイランドオープン」は、タイのナショナルオープンとして、長い歴史と伝統を誇る。第1回大会は１９６５年。当初は、アジアンツアーに組み込まれていたトーナメントだった。それが、２００９年のワンアジアツアーの発足と同時に移行され、２０１０年には賞金総額が一気に１億円まで跳ね上がるなど、長い時をかけて変遷と、発展を続けてきた。

そして今年はまた新たな歴史の扉が開く。
長い長い歴史の中にあって、今大会が２ツアーとの共同主管で開かれるのは、これが初。

そういった意味では、記念すべき“第１回”大会の開幕を目前に、前日13日水曜日はジャパンゴルフツアーを代表して３人のスター選手が会見場に呼ばれた。

金庚泰 (キムキョンテ)はいわずと知れたコリアンスターと、選手会長の池田勇太。そして、日本で５度の賞金王は、当地でも名の知られた片山晋呉だ。

片山は、ワンアジアツアーの発足後にいちはやく同ツアーに参戦した”第一人者”を自負している。
「僕が拓いた。一番最初に出た時から思ってた。早く、一緒になれないものかと」。

ワンアジアと日本ゴルフツアー機構（ＪＧＴＯ）。共同主管での開催計画は、初出場したころからこちらの関係者にも、幾度となく相談を持ちかけられていた。
海外のツアーと手を組むことは、選手のレベルアップにつながるし、互いの刺激にもなる。選手の視野と、活動の場を広げるという点でも、メリットは数え上げれば無数にある。

「ようやく実現した。遅いくらい」と片山は言う。
永久シードの日本の雄も、勝ち星から見放されて早４年が過ぎて、２００９年のマスターズでは当時日本人最高の４位につけた男は、そのあと燃え尽き症候群にかかってモチベーションの持っていきようにも迷った時期もあったが、今年１月にいよいよ不惑の年を迎えて、少しずつ見えてきたものがあった。

「40代の賞金王を狙ってみるのもいいんじゃないか、と。それだとあと10回はチャンスがある。のんびりとね」。
今季初戦は、数年前にも回ったことがあるタナシティゴルフ＆スポーツクラブと40歳にして、新たな目標に向かって第一歩を踏み出すにも、申し分ない場所である。

そして、池田もこの大会で、果たすべき役割があると、自覚している。
この「タイランドオープン」は長い歴史の中で、過去に４人の日本人チャンピオンが誕生しており、記念すべきこの年には、なおさら５人目の快挙が待たれる。

選手会長の就任元年。「どのトーナメントも選手と関係者、ファンが一体となって大会を盛り上げて、明るく、楽しく、お祭り騒ぎみたいにしたい」との青写真を描くだけに、気合いも入る。

また、日本ツアーの存在を世界にむけて発信していくためにも、ここでの活躍は不可欠である。
「自分も上位に行くべき選手の一人と自覚している」と、力をこめた。
「こういう大会で日本人選手が上に来ると、他に与える影響も大きいはずだから」と、選手会長という肩書きも大いに念頭に置きながらの４日間となる。

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