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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2012

藤本佳則が初日の第1ラウンドで63をマーク

ボギーなしの63は、大会レコードタイ記録を出しておきながら、藤本は「調子が悪い」。朝の練習場でも「今日は大変な1日になる」。そう諦めていたそうだが「やってみたらこんなんで。びっくりしています」と、肩をそびやかして笑う。

今年、デビューしたばかりのルーキーは、学生時代の癖が抜けない。「ひとつ試合に出たら、しばらくはお休み、みたいな」。その感覚が、いまだに抜けないまますぐに、次の会場へ向かわなければいけない。

「行きたくないなあ・・・とか、休みがあったらいいなあ、とか、もうちょっと調整したいな、とか」。気が進まない週もある。
ましてや7月には全英オープン。8月にはWGC「ブリヂストン招待」と、2つの海外ツアーを挟んで「これだけ続くんは、本当に初めての経験」。

本人には自覚のないところで、やっぱり22歳も疲れている。今週、飯田光輝トレーナーにも、指摘されたばかりだ。「いつもとは違うところがゆがんでいるよ」。
それが、微妙にスイングにも影響しているのか。

「イメージどおりの球が打てない」。
それでも、ピンにはまっすぐ飛んで行く。初日は石川遼と同組に、いつも以上に大勢のギャラリーに囲まれて「見ているみなさんは“藤本は調子ええな”と思われてるでしょうけれども」。

本人としては「全然気持ちは良くない」。
それでも、これだけのスコアで上がって来てみせたのは、プロの自覚。調子が悪くても、疲れていても、「状況に応じてなんとかスコアを作って、稼いでいかなあかん」。

先の海外ツアーでは「目が肥えた」。世界ランカーたちのショット。「良いのを見過ぎて、記憶が抜けない」。特にバッバ・ワトソンには「あんな球打てる人、日本ではいない。海外でもいない」と、度肝を抜いた。
それにひきかえ「自分の球は、しょ〜もなさ過ぎてがっかりする」と、先週の関西オープンでは欲張って、飛距離や精度を求めてみたが、疲れた体の今では、どうしようもない。
どうにか予選通過はしたものの「練習みたいになっていた」。

反省から今週は、スイング改造もひとまず封印して本来のイメージを取り戻すことと、スコアメイクを優先させたら、たちまちこの結果だ。
「そのうち心が折れそうです」と、これから10月までの11連戦を思うにつけてもつい苦笑いが浮かぶが、立ち止まるつもりはない。
「休むなんてダメです。調子に乗ったらダメ。出れるもんは、全部出る」と気力を振り絞って、「これから秋口までに、また優勝したい」。
次の2勝目をにらんでいる。

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