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中日クラウンズ 2009

中日クラウンズは今年50回の記念大会

実は、開幕前から緊張でガチガチだ。中日クラウンズは今年、50回大会。スポンサー競技としてはもっとも古く、伝統と格式のこのビッグイベントの記念大会を、ディフェンディングチャンピオンとして迎える。

地元・愛知県出身。それだけでも毎年、プレッシャーで押しつぶされそうなのに、今年はそれ以上の重圧がのしかかるのだ。
「ほんと、今からどうしようかと・・・」。
先週のつるやオープンでも、苦笑いで顔をしかめていたものだ。

しかし反面、それほどの思いで和合の1番ティに立てることを幸せに感じている。
永久シードの杉原輝雄、青木功にジャンボ尾崎、尾崎直道に片山晋呉・・・。
錚錚たる面々の中でももっとも新しいチャンピオンとして名を連ね、その半世紀目に連覇を狙える立場にいる。

「プロ冥利に尽きますね」と、背筋を伸ばした。

今年は心機一転、登録名を「智弘」から「共弘」へ。見慣れない字に違和感を覚えるむきも少なくないようで、近藤ではない誰か他の選手だと勘違いするファンがいたり、新聞報道などを見て「漢字が間違えていたよ」と、わざわざ知らせてくれる方がいたり……。

本人にはそれほど大袈裟なことでもなかっただけに、逆に周囲の反響の大きさに驚いているほどだ。

きっかけは昨年末だった。かねてより親交のあった有名な風水建築デザイナーに1年の成績などを報告をする中で「名前の漢字を変えてみたらどうでしょう」という提案があった。

49回大会でツアー通算4勝目を達成したり、悪いことばかりではなかったとは言うものの、原因不明の足底痛で数試合を棒に振ったり、大いに悔いが残った1年だっただけに、「名前でもなんでも、とにかく変えることで今より良い方に向いていくならば、なんでもやってやろうと思った」という近藤は、迷わずその場で「では、良い字を選んでください」と、お願いしたという。

もちろん、それだけで足の症状が良くなるわけではなく、このオフは治療に専念。その分、ゴルフは十分な調整が出来なかったがそれでも明るい材料はあった。

3月末に行われた全英オープンのアジア予選で権利の与えられる上位4人の最後の一席を争って、9人によるプレーオフまで持ち込んだ。
昨年に引き続いて、あと一歩のところで権利を逃したことは悔しいが、さしたる練習も出来なかったわりには2日間、納得のいくゴルフが出来たことで自信もついた。

また、先のつるやオープンでは3位タイ。4日間、痛みらしい痛みもなく完走できたばかりか、上位争いに食い込んだことで手応えも出てきた。

「とにかく、今年はひとつ階段を上がりたい。生まれ変わって、そのときの調子や状態に左右されない真の実力を手に入れたい。そのための努力は、惜しまないつもりです」と、開幕戦で近藤は言った。
デビューからちょうど10年。節目の年に、節目の大会でまたひとつ、自分の殻を破るつもりだ。

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