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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2011

56歳の室田淳が暫定8位に

昨年は、左ヒジが痛かった。「今年は右ヒジが痛い。目にも来ている」。乱視で、グリーンのラインが見えづらい。「腰痛とも“お友達”だし」。

加齢によるさまざまな症状と闘いながらの参戦は、「ボギーを打つと、萎えてしまう。プロゴルファーを選んだ僕がバカだった、と」。そんな反省と後悔は、しかし「1日寝ると“また頑張るか”となる。ゴルフって、不思議だね」。

もっともこの日は、忸怩たる思いとも無縁だった。67の5アンダーは、ボギーなし。「ピンチは一杯あった。でもことごとく、キャディさんに助けてもらった」と、通算10アンダーは、暫定8位タイ浮上に、芥屋のベテランハウスキャディに感謝した。

今年も56歳は、縦横無尽に駆け回る。今年もシニアとレギュラーツアーの掛け持ち参戦に加えて、米シニアのチャンピオンズツアーでは、5月の全米プロシニアで初日首位に大活躍。最終日はトム・ワトソンとのV争いの末に、3位につけた。

「あれは運が良かった。疲れていたし、本当は行くのも嫌だったけど、全部新品のクラブで行ったら、うまくいった」と、笑うが「去年よりひとつでも、上に行きたい。去年より、少しでもうまくなりたい。だからこうやって、試合に出尽くしているのよ」と、尽きることのない向上心に突き動かされて、今週も果敢に真夏の芥屋に立つ。

「最近は、若い子たちが活躍していて、とてもいいね」と、そのあたりはまるで他人事。「対抗するつもりなんて全然ない。そんな力があるのはジャンボさんくらい。僕ら凡人は、ひたすら1打1打の積み重ね。コースと勝負を続けるうちに、こういうスコアが出ることもある」。
謙遜の言葉の端に、ひそかな自負がにじみ出た。

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