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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2007

片山晋呉が単独首位浮上

18番で、左のセミラフから3メートルに寄せた。そのあと、同じ組の竹本直哉がチップインバーディを決めて、最後の最後に片山が燃えた。

この日3日目はスコアボードをいっさい見なかったから、正確な自分の順位は知らなかったが「雰囲気で、自分がトップだということが分かった」。
先の1打で、竹本が差を2打に縮めたことも。

「でも、僕も入れれば彼も『おっ』と思うでしょう? 気合が入った」。
ど真ん中からねじこんで、パーセーブ。
腰の辺りで小さく握ったガッツポーズ。

「このコースだから曲がる。ラフに入れる。ボギーも打つ」。
それよりも評価したいのはこの日7つのバーディだ。

前日3日目まで、心の中に垂れ込めていた低気圧もすっかり晴れて「高気圧は張り出してきたような感じ」。
ようやく少し、明るい笑顔がこぼれ出た。

今週はスーツケースに2日分しか服を入れて来なかった。「予選落ちするつもりだったから」。初日の1アンダーに、きゅうきょメーカーから追加のウェアを送ってもらったほどだ。
ここ宍戸ヒルズカントリークラブは、「僕には全米オープンより難しく感じてしまう」。

賞金王がそれほどまでに苦手意識を吐露するのも珍しい。

これまでどんなに周到に準備をしても「意気込んで来ても、いつもダメで。これ以上、変えるべきところが見当たらなかった」。
八方塞りの状態は、これまでの習慣を徹底的に変えることで打開しようとした。

宿泊先を変えた。コースまで、これまでとは別のルートを辿り、初の賞金王に輝いた2000年シーズン途中からトレードマークだったテンガロンハットを2日目から白いハンチング帽に変えた。

そして、いちばんはコースに向かう心構え。
これまでのツアー通算21勝を、ほとんど“有言実行”で制してきた選手がむき出しの闘志を封印。
試行錯誤の末に、いよいよ単独首位に立った。

このまま逃げ切れば、“日本”と名のつくタイトルをすべて手中に収める。
まして、地元茨城県のファンを前に「明日は、ティグラウンドに立てば、自然と気持ちが湧き出てくるだろうけれど。ここは、静かにプレーしないとどうにもならないコース。最後の最後まで、もうひとりの自分と相談しながら手綱を引き締めていく」。

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