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東建ホームメイトカップ 2012

杉原輝雄氏の追悼式を開催

ジャンボは親しみと畏怖をこめ「おっさん」と語りかけた
ジャンボ尾崎が空を見上げて、しみじみと呼びかけた。「俺流にあえてこう呼ばせてもらう、杉原のおっさん・・・!!」。生前から、信頼と尊敬と、そして何より親しみをこめてそう呼んでいた。亡くなったいまも変わらない。いや、亡くなった今だからこそ、変えたくない。「杉原のおっさん、今日もこの雨空の上で、我々の姿を見ているんだろう?」と、この日10日水曜日のプロアマ戦にはあいにくの雨空をうらめしそうに見上げながら、ジャンボが在りし日の姿をしのぶ。

「アマチュアの方に親切だったおっさん。ちっさいからだで、最後までこのジャンボ尾崎に挑戦してきた。そしておっさんは、何より感謝という言葉が好きでしたね」。選手を代表してマイクの前に立った追悼の言葉に、ともに一時代を築いた戦友への思いがぎっしりと、詰まっていた。

ジャパンゴルフツアーは、今週の東建ホームメイトカップで、いよいよ2012年の開幕を迎え、その開催目前に、昨年末にこの世を去った“ドン”の追悼セレモニーを開いて、その死を改めて悼むことになった。

ジャパンゴルフツアー選手会の提案で実現した。選手たちの脳裏にあったのは2000年。ペブルビーチで行われた全米オープンは、その前年に大会を制したペイン・スチュワート氏がそのわずか4ヶ月後に飛行機事故で不慮の死をとげて、改めて会場全体が悲しみに沈んでいた。

選手たちから自然と声が上がった。「みんなで海に向かってボールを打とう」。それを精一杯の追悼メッセージにしようと考えたのだ。

この日の追悼式は、これにならってジャンボが追悼の意を述べたあと、会場の東建多度カントリークラブ・名古屋の1番ティでまずは黙祷と、そのあとフェアウェーに向かって、一斉にスモークボールを放つことで「我々の、おっさんへの感謝の気持ちを表した」というジャンボをはじめ、選手会長の倉本昌弘や、尾崎直道らベテラン勢に中堅、石川遼ら若手が一堂に会して心を込めて鎮魂のティショットを打った。

雨の中、虹色の放物線がいくつも弧を描いた。
「ジャンボさんの言葉で、改めて杉原さんのすごさを噛みしめた。僕のことも、ツアーのことも、見守っていただければいいのに」と石川は言った。

  • ティショットを打つ前に、遺影を囲んで・・・
  • 石川や池田ら若い世代もベテランに混じってスモークボールを放って、在りし日をしのんだ

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