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藤本佳則がGTPAのルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞
歴代の受賞者には女子プロの宮里藍さんや、石川遼など蒼々たる面々が名前を連ねる賞で、今年男子プロから選ばれたのが、藤本だった。
何より一番は昨年、デビューからわずか5試合目の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」で、ツアー初優勝を挙げて話題をまいたことが評価されたのは間違いがない。GTPAの日枝久・理事長より表彰状と、記念のトロフィーと大輪の花束を贈られた藤本は「昨年は1年目にしては、すばらしい年になりました」と喜びに浸りつつ、「今年は昨年以上の年にします!」。
そのためにもこのオフは、昨年以上に入念な調整を重ねている。先月までの1ヶ月はもっぱら地元・奈良で体作りに励んだら、今月は沖縄に飛んでラウンドや打ち込み中心の合宿を張る予定だ。
「オフの課題はショートゲーム。特に昨年は、100ヤード以内のショットで花道とか簡単なライから簡単にボギーを打つことも多かった。そこをいかにパーでしのぐか。それができれば、今年はもっと上も狙える」。
デビュー年の昨年も言い続けていた。「目標は年間2勝以上」。それに加えて2年目の今季はさらにでっかく「賞金王」も視野に戦う。
「終盤戦では必ず賞金王争いできるようにしたい」と、飛躍を誓った。
そんな頼もしい後輩に、先輩も期待している。
表彰式のあとで、選手会長として大勢のスポンサーの前でマイクを握った池田勇太は、東北福祉大の4つ先輩。「藤本のことは、高校のころから知っている。やんちゃで可愛い後輩です」。
この日は藤本のほかに、女子プロの成田美寿々さんと、斉藤愛璃さんも表彰を受けたが、お2人とももともと身長が165センチを超える上に、この日は女性らしい正装で、高いヒールを履いていた。
長身の女性2人に挟まれた後輩を、おかしそうに眺めていた池田は「女子よりも、小さいプロです」と、からかいながらも「しかし 僕よりも遠くに飛ばす。藤本のような若い選手にもっともっと頑張ってもらって、ツアーを盛り上げてもらいたい。男子プロの凄さを存分にアピールしてもらいたい」。
選手会長のエールに神妙にうなずいた藤本。特に今季の成績は、日頃から何かと目をかけてくれる先輩への大きな恩返しにもなりそうだ。