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ダンロップフェニックストーナメント 2013

アメリカ帰り! 岩田寛が3位タイ浮上

一見、脱力系プロだが、秘めているものは、相当熱い。3日目は無表情で上がってきたが、実は内心、とっても悔しがっていた。前半で4つスコアを縮めて通算4アンダーで迎えた最後の18番は、ティショットを打つ瞬間に、ちょうど隣のホールから上がった大歓声と拍手がまともにかぶって、右の林に打ち込んだ。

「いつもは、気にしながら打つのに。興奮していたのかな」。ルークと最終日最終組で回れるかもしれないという期待が判断を狂わせたのかもしれない。そのあと「3打目も4打目も、5打目もずっと迷い続けて打ってしまった」と4オン2パットのボギーを打った。

1打後退の3位タイは、防げたミスでもあっただけに、「悔やまれる」と、ホールアウトしてしばらく経っても「今は最後のことしか考えられない」と、どこか上の空で話した。

いつか米ツアーに参戦することが目標だった。それは今だ、と今年は10月のファーストステージから挑戦。岩田のブログにはこう綴られている。「未勝利のくせにとか、日本で活躍してないのにとか言われるんじゃないかと勝手に思ってたから」。出発の寸前まで、周囲にも内緒で決めた大英断だった。
石川遼や、松山英樹ら若い選手の米ツアーの活躍も「指をくわえてみているのは嫌だった」と、負けず嫌いで乗り込んだ。

しかし、これまた本人の書き出しを引用すると「結果から言うとダメでした」。セカンドステージまで進んだものの、その最終日に8位タイの“圏内”で出ながら大叩きを打って、ファイナル進出に失敗。

実らなかった遠征に、なおさら米ツアーへの憧れを強くして帰ってきただけに、早速ルークとの直接対決に胸が高鳴ったのも無理はない。「しかもルークって日本人ぽいじゃないですか。だから余計に回ってみたかった」と思いが募る一方で、「いや、やっぱりルークとは回りたくない」と、気持ちは揺れる。
「ルークは真っ直ぐしか行かないし、表情を変えないし、こっちは自滅しそう。興奮して夜、眠れなかったかもしれないし・・・」と、最終日の組み合わせは3日目の成績が上の者ほど後ろに組み合わされるが、同スコアで並んだ場合、先に上がった選手ほどまた、後ろの組になる。
その原則から、岩田はひとつ前の組からルークを追いかけることになったが、冷静に考えればちょうどいい。「優勝とか、大それたことは言えないけれど。アメリカでめちゃくちゃだったので。明日はそれを活かして」。負けて帰ってきた分だけ、せめてルークに食らいつく。

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