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池田、藤本、松山が大阪に集結。震災復興チャリティコンペに参加(11日)
株式会社ウィンハウジング(大阪・住之江区)の協賛で始まったこのイベントは、今年で7回目を迎えた。日頃から「ゴルフを通じて人々に笑顔を届けていきたい」と考えていた池田が会の趣旨に賛同。参加を始めてから今年で5回目になる。さらに「後輩たちにも手伝っていただくことにした」と、次の年から松山が加わり、続いてその翌年には藤本も常連メンバーに。
そんな3人の思いは、このチャリティコンペの目的が、震災復興となった年からいっそう強くなる。
池田は大学時代を合わせて5年間を仙台で過ごした。藤本は東北高校からだから、丸7年。悲報は豪州合宿のまっただ中で聞いた。当時を振り返って藤本は言う。「帰ってみると、仙台が見たことのないような光景になっていて。ショックでした。とにかく、何かしなければと思った」。
阿部靖彦・ゴルフ部監督は「部員たちには、それぞれが出来ることは小さいかもしれないけれど、あのとき感じた気持ちを忘れず、自分たちに出来ることを、とにかくコツコツと長く続けていくことが大事なんだといつも話しをしてるんだ」。
特に4年生の松山は、今も大学の寮で過ごしているだけに、「こういうイベントがあれば、出来るだけ参加していきたいので」。先輩たちと、復興への思いで気持ちを一つにして駆けつけた。
もっともシーズン終盤に痛めた左手は、回復に向かっているとはいえ、いまだにクラブもまだ握れない状態でこの日ももちろん、プレーは出来なかったがアマチュアの方のラウンドについて歩いてその場を盛り上げたり、あとの表彰パーティではチャリティーオークションで、華を添えたり。
「そうそう! ここのオークションがまた凄いんだよ」と、得意満面は池田。総勢270余人のコンペには3人以外にも、プロゴルファーでは協賛社とご縁があるという丸山大輔。また野球界には現役・OBともに、そうそうたる顔ぶれを抱える名門校らしく、スター選手が続々と「皆さんが愛用されていたユニフォームだったりバットだったり。ファンの方にはたまらない賞品が目白押しなんです」と喜々として語る池田もまた、B4の用紙にも書ききれないほどの愛用品を、次々と会場に運び込むという張り切りようだった。
当日はときおり冷たい雨と強い風に見舞われながらも、和気藹々と楽しい1日。藤本は、大学OBで大先輩の元阪神タイガースの矢野燿大(やのあきひろ)さんとのラウンドに、目を剥いた。「矢野さん、また上手になってはりますやん!」。11月のマイナビABCチャンピオンシップでは、プロアマ戦で一緒にプレー。「そのときよりも、さらに上達されている。ゴルフしか、してはれへんのと違うかなというくらいに」。
2010年に現役を引退されてからも、その端正な顔立ちと、ソフトな物言いで野球解説や評論家としてメディアで引っ張りだこだ。「いやいや! ちゃんと仕事もしてますよ」と慌てて声をあげた矢野さんには、池田も首をかしげて「またマンデーにも挑戦されるんでしょう?」。
そのマイナビABCチャンピオンシップでは、プロアマ戦の前々日の予選会「マンデートーナメント」にも挑戦。本戦出場を目指したのだが「野球を引退してから、一番緊張した。出たことを、一瞬後悔したほど」という矢野さんだったが、実はすっかりと味をしめていた?! 来年こそ本戦突破を目指して「また出たいですね」と、つい本音をこぼして池田、藤本、松山の超一流ゴルファーたちの笑いを誘っていた。
ジャパンゴルフツアーは先週に、今季最終戦を終えたばかりだが、さっそく社会貢献活動に忙しいスター選手たち。「東北の復興は、まだまだ進んでいない。どんな小さなことでもいい。数多くこういうイベントを開いたり、また仙台だけじゃなくて、福島や岩手にも僕らが数多く足を向けることで、まだまだ忘れちゃいけないんだよ、これから何年もかけて、やっていかなければいけないんだよとのメッセージを送り続けたい」と選手会長。オフも羽を休める暇もない。