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ドラゴンカップ 2013

インスタート最終組の鈴木亨が大逆転V

チャレンジトーナメント第11戦「ドラゴンカップ」(賞金総額1000万円・優勝賞金180万円)は、13日(金)予選を通過した62名の選手が出場して千葉県の千葉夷隅ゴルフクラブ(7,035ヤード、パー72)で最終ラウンドが行われた。

予選を最下位で通過した鈴木亨が11バーディ、ノーボギーの11アンダー61をマークして、通算14アンダーで前日までの5打差を逆転し優勝した。「61」は1999年チャレンジトーナメントがスタートして以来、これまでの「62」を更新し、チャレンジ最少スコアとなった。鈴木は、この日インスタートの最終組でスタートし、前半を5アンダーで折り返し、スコアを通算8アンダーとした。この時点で首位とは2打差だった。「13アンダーだったらプレーオフ、14アンダーなら優勝」と考え、後半も攻めた。1,2,4,5,6番とバーディを連取し、13アンダーに到達した。

いわゆる「裏街道」からの快進撃に、多くの選手が気づかずにいた。鈴木がようやく8番ホールをプレーしているころに、「鈴木亨 13アンダー」という情報が会場内を駆け抜けた。
さらに鈴木は最終ホールとなる9番で4メートルのバーディパットを沈め、通算14アンダーとした。今回の予選カットが3アンダー、「チャレンジのレベルも上がっている。才能のある若い人もたくさんいる」と、本人もまさかの優勝だった。「スタートの時に5打差だからチャンスがある。みんなをびっくりさせてやろうと話をしていたが、正直」考えていなかった。

思わず、ツアー初優勝のときを思い出した。1993年ジュンクラシックで最終日65をマークし、当時全盛期の尾崎将司、中嶋常幸の2人を1打抑えて優勝したのだ。その往年の爆発力を久しぶりに発揮した。2011年に18年間守り続けた賞金シードを失い、2012年は生涯獲得賞金ランキング25位以内の資格でツアーに出続けたが、賞金ランキング89位でついにツアーの出場資格をなくした。

今年は、チャレンジトーナメントが主戦場となったが、最初は「自分がチャレンジに出るとは」と戸惑いを隠せなかった。それでも「ゴルフが好きだったし、あきらめずにもう一度シードを獲ろうと、今まで一番練習した」。その影には息子さんの貴之君の存在があった。
現在、拓大紅稜高校ゴルフ部の2年生で、一緒に練習をしている。「プロになりたい」といい始めた息子に「勝負の世界は甘くはない。でも若いうちに目標を持って努力することはいい」と応援している。

また、今週の月曜日(9日)に娘さんの愛理さんが所属する℃-uteのコンサートを見に武道館まで足を運んだ。大勢の観衆の前で歌い、踊るその姿を見て、「パワーをもらった」。夢に向かって頑張る娘の姿に刺激を受けた。「自分にもまだ夢がある。日本タイトルをまだ獲っていないし」とあきらめていない。

この優勝で賞金180万円と日本一・最高級魚沼産コシヒカリ100kg、コカ・コーラ東海クラシックの出場権を獲得した。地元での試合に、実はマンデートーナメントから挑戦する予定ですでにエントリーも済ませていた。これで本戦から出場することができる。「この優勝はこれまでのツアー8勝より、心の中では大きい。一生懸命やっても結果が出ないこともあった。でも、これまで努力を重ねてきてよかった。やり続けたこと、積み重ねが」大きなものになるようだ。

まだまだ挑戦し続ける鈴木亨。今日は家で美味しいお酒が飲める。

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