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とおとうみ浜松オープン 2012
小林正則は「恥ずかしいプレーは出来ない」
大会の前売りチケットを購入された方の中から厳正な抽選を経て選ばれた方々だ。
昨年、発足したばかりの今大会のコンセプトは地元有志のみなさんの完全手作り。特定のスポンサー企業を持たないこのトーナメントは、参加した方々がみな主役になれる工夫がされており、水曜日のプロアマ戦もその一環である。
それだけにこの日は小林とチームを組んだ元プロ野球選手の古田敦也さんのホールアウト後の言葉が、なおさら堪える。
「今日の後半、実は小林くんは一度もパットしなかったんだよ!」。
古田さんのゴルフの腕前もさることながら、昨年覇者でさえ度肝を抜いたのは、あとの2人のアマチュア選手だ。
しかも可憐な女性2人は、まるで女子プロさながらで、前半9番の7メートルのイーグルパットを決めたのは、神奈川県在住の瀧澤しず子さん。
そして13番もやはり、6メートル前後のイーグルパットを沈めたのが、もうひとりのアマチュアでやはり神奈川県在住の増田ちはるさんだ。最後の18番も、古田さんがアプローチで寄せた1,5メートルのバーディパットを、確実に沈めて、最後まで小林の出番はなかった。
バックナインはなんと8バーディの1イーグル。スクランブル方式のチームスコアは55という見事なスコアで、文句なしの優勝を飾った。
「いや、ほんとにみなさんお上手でした」と、脱帽した小林。
「小林プロも、古田さんもほんっとに楽しい方で。今日はすごく良い思い出になりました」と、口を揃えた2人の女子。月曜日の練習日から観戦可能な今大会は、この日もロープの外に鈴なりの大ギャラリーもうらやむほどの和気藹々のラウンドが終わったら、いよいよ明日から本番だ。
小林には人生初の連覇がかかる。
「プレッシャーはあるけど、調子は良いし、恥ずかしいプレーは見せられない」。
昨年覇者のプライドを持って、思い出の舞台に立つ。