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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2013
藤本佳則は「最後まで、終わってみなければ」
ツアー2勝目を狙うデビュー2年目の今季。「まだ1回くらいしか、優勝争いしていない。あかんでしょう」。反省しきりの前半戦。
長いオフで、もう一度体を鍛え直し、スイングを見直した。「悪くなってくると、体の動きを遮る手の動きをする」と、コーチと二人三脚で、微調整を繰り返してきた。
ここ芥屋は、ツアーで唯一のコウライグリーンも、「ラインはこうで、傾斜はこうで、と決めるとストレスがたまる」。今年はグリーンキーパーの並々ならぬ尽力で、例年以上の仕上がりを見せて、そのスピードも硬さも、選手たちが口々に「素晴らしい」と、褒めそやすグリーンでも、やっぱり芝目のクセは独特で、事細かく読み込んでも、その通りにはいかない。
それならば、いっそ「だいたいこの辺りで」と、良い意味でおおざっぱに、あとは今週から持ち替えたセンターシャフトのマレット型のパターに任せる。
スタートの10番で10メートルのフックラインが決まり、18番では8メートル弱の「ちょいスラ」も決まり、折り返して後半の2番では、14メートルの上りのスライスラインも「入ってくれたという感じ」と、思えばなおさら「新しいパターのおかげ」と感謝しないではいられない。
トレードマークの長い襟足。「正直、うっとおしかった。シャンプーしても、上はすぐ乾くのに、下はずっと濡れたまま」。傷んだ毛先も気になって、この夏にいつになく短くカットしてきた新しいビリケン・ヘアのお披露目の時。
襟足もスカっとさせて、ここから猛然と追いかけていく。いま、独走の後輩。東北福祉大の松山英樹は、2位を8000万円以上も突き放して、賞金レースのトップを走る。
「確かに前半戦であそこまで行くのは凄い。世界でも活躍して、刺激になる」と後輩に羨望の眼差しも、「だけど今後はどうなるか分からない。プロゴルファーが、みな自分が一番を目指してやっている中では、終わってみないと分からんでしょう?」と、ライバル心をちらつかせた。