これでひとまず肩の荷が下りた。丸山が、今季初戦で決勝ラウンド進出を果たした。大会主催に名前を連ねるセガサミーホールディングスの所属プロ。
４日間プレーすることがホストプロの最低限の責任と、気合いを入れたはいいが、持病の左手親指付け根痛は、日に日に腫れ上がるばかりで、２日目は初日にもまして、まともにグリップも握れない。

いびつな握り方から来るミスショットを防ごうと、トップもフィニッシュも、低めに抑えた変則スイングで、どうにか振り切るのも精一杯という状況で、クラブをつい取り落とす場面も。
「応急処置で、ごまかしごまかしやるしかない」と、渾身のイーブンパーは初日のスコアを生かして通算２アンダーで、「なんとか予選は通れたから。素直に嬉しい」と、米ツアー３勝の実力者が初々しく笑った。

決勝ラウンドに進出とはいっても、具体的な目標を描けるような状態ではない。たとえるなら「スタートで、タイミングが合わせられない100メートル走の選手みたいな感じで」。形は不格好でも「とにかく、日々頑張るしかない」。せめて、恩人に全力で走り抜く姿を見せられれば。

• 丸山 茂樹