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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2013

藤田寛之が単独首位に【インタビュー動画】

一時期は、他の選手たちからも、「こんなに悪い藤田は久しぶりに見た」と言われたほど、ゴルフの状態が悪かった。「そのときの調子からすると、今日は100点満点」といつも自分に厳しい男は本当に久しぶりに、自画自賛の64。

最後の9番でも、1メートルのパーパットも、危なげなく拾った。ここザ・ノースカントリーゴルフクラブのグリーンは、今年はいつになく難解で、同い年の丸山茂樹も「ラインを読むのが難しい」とこぼしていた。「足元はフックでも、カップ回りはスライスとか」。

藤田も2009年に、今大会でツアー通算7勝目をあげた頃なら「厄介なグリーンだな、ときりきり舞いになっていた」。
あれからさらに8勝を重ねて、40代での勝ち星が、それ以前を上回って、昨年は賞金王にも上り詰め、今年は4月のマスターズと6月の全米オープンで、メジャー2戦をこなして戻ってきたなら「このくらいは攻略しないと、と思える」。

北海道は、寒冷地特有の洋芝は、「アメリカに近いものがある」と、実感できればなおさら、海外メジャーへの挑戦が、何よりモチベーションの選手にとっては、難しさに萎えるというよりむしろ、その克服に躍起になる。

「アメリカのグリーンは、ここよりもっと荒っぽいというか。芝目ももっときついし、クセがある。荒っぽいところで育った子が強くなるように、そこでの経験が増えれば強くなれるし、海外に似た環境でやれることは、貴重な時間」ととらえて、喜々としてコースと向き合う。

しかも、それはグリーン上だけの話ではなくて「フェアウェイもグリーン回りのラフも」。フカフカのベント芝は、「以前なら、ボールが沈んでフェアウェイからでも苦労する」と、苦手意識ばかりが先んじて、これまで出場8回のうち、優勝もあるが予選落ちも5度という過去のデータも、永久シード選手の倉本昌弘から「ベント芝は飛ばないから。それを見越して打てばいいから、コウライ芝よりも簡単だよ」と言われたのを思い出し、それをヒントに「良い練習になる。厳しい環境の中では、適応能力のある選手だけが生き残っていける」と、サバイバルゲームに挑む感覚で、楽しんで取り組む。

長く不振にあえいでいたショット。一度オープンウィークに、師匠に「見て下さい」と懇願したら、「ちょうどいま北海道にいる、と」。そして、今大会は1日の月曜日に行われる本選切符をかけたマンデートーナメントに出るから、通っても落ちても残るから、翌日の火曜日に練習ラウンドを一緒に回ろうとの約束を取り付けて、実現した芹澤信雄との“ラウンドレッスン”。

「16番のショートホールで腰を押されて、押し込み方はこうで、『手の抜き方はこうだろう』と」。まさに、手取り足取りの指導は「ほんの一瞬の動きにあっ、と思うところがあって。あれからずっと、自分なりにひたすら言われたことを続けていたら、ショットに関しても良くなってきました」と、ひとしきり状況を説明したあと「…僕はいったい、芹澤さんの名前を何遍こうして出すのでしょうか」と自虐の笑み。

「もう44歳になったというのに僕はまだ、師匠、師匠といつまで言うのでしょうか」と、苦笑いで、「でも、芹澤さんのおかげで良くなっているのは事実なので」と結局、本戦には進めなかったのに、本当にわざわざもう1日コースに来てくれた師匠に今回もまた、感謝しきりで“復活”の今季初Vを狙っていく。

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