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中日クラウンズ 2010

伝統の和合でなるか史上最年少の3億円超え、石川遼

実は、先週のつるやオープンから狙っていた。18歳の生涯獲得賞金は、2億9161万5217円。3億円越えはもう目前。今にも達成すれば、丸山茂樹の27と8ヶ月6日を大幅に抜いて、史上最年少記録となる(※73年のツアー制度施行後、生誕日は含まず)。

「プロとして生涯獲得賞金が積み重なっていくことは、凄く価値のあること。出来るだけ早く突破できるように頑張りたい」。

この中日クラウンズで単独2位以上なら、夢は確実に実現する。今年の和合は随所にコースの改修が施され、特に昨年9月に完了したグリーンの改造は、5ホールに及ぶ。面積が縮小された上に豊かな形状がつけられた。

昨年初日に1オンに成功した16番が特に顕著で、グリーン回りのバンカーも4個から10個へ。距離も9ヤード伸びて、無謀な1オンを封じる意図もある。

「もともと経験と正確なマネジメントと技量がかなり必要とされる」(石川)のがここ和合だが、今年はますます一筋縄ではいきそうにない。

記録達成への壁は確かに高いが、この日のプロアマ戦から攻略に余念がない。
幸いにもこの日、チームを組んだアマチュアのみなさんが3人とも、和合のメンバー。
「プロアマ戦は、プロとして大切な仕事」と位置づける石川だけに、アマチュアのみなさんとの懇親の時間は一石二鳥。
「コースを教えていただいて、とても為になった」と感謝した。

マスターズで2年連続の予選落ちを喫して帰国してから取り組んできたスイング改造も徐々に上向き。また先週は11位と結果も上向き。
「実は今週に照準を合わせてきた。体調もゴルフも充実してくると思っていた。流れは整ったと思う」と難コースを前にしても、寸分の迷いも見られない。

この中日クラウンズは今年51回目を迎える。
数々の名勝負を生み出してきた歴史と伝統の1戦は、多くの名手を生み出してきた。
その重みは18歳の心にも、ずしりと迫る。
「僕もいつか、50の名のあとに、名前を刻めたらいいな」と夢見るように、「僕も小さいですけどプライドとか名誉とか・・・大会やコースの歴史の深さを意識しながら優勝争いがしたい」と、言い切った。

そのために、50代目のチャンピオンを見習う。昨年、節目の記念大会で7打差のぶっちぎりVを飾った平塚哲二だ。
思い切りの良さで知られる石川も、ここではコースの難しさを警戒するあまりに守りに入っていた部分があったかもしれない。

「でも平塚さんの爆発的なプレーを見て、やっぱり守りより攻めだ、と。僕も去年とは違った精神状態で、平塚さんのようなゴルフが出来れば最高です。今年は、アグレッシブに行こうと思う」。
4日間のプランは定まった。

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