記事
三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2009
敗れたブレンダン・ジョーンズは、「優勝=パッティング」と
その理由が、グリーン上だった。
「あいつのほうが、勢いがある」と中嶋に太鼓判を押された兼本すら気の毒がるほど、ジョーンズはパットが入っていなかった。
象徴的だったのが、スタートの1番ホールだ。
ジョーンズが、バーディパットを2メートルもショートさせたとき、兼本は内心、思ったという。
「この人、どうしちゃったの?」。
それだけに「18番までは、何があるか分からないと思っていた」と兼本は言う。
しょっぱなから隙を与えてしまったのだ。
前半に食らいついてきた兼本を、一度は突き放したが最後はやっぱりパットにやられた。
15番からの連続バーディに、追いつかれた。
プレーオフでも、2度もバンカーに入れた兼本に対し、ティショットで再三、優位に立ちながら、仕留めきれなかった。
「ティからグリーンは良いのに…。今週は、20パットくらいは余計に打っているはず」と、思わずため息。
「やっぱり優勝=パッティング」と今回の戦いで改めて思い知らされジョーンズは今後、日々の練習量を増やすことに決めたという。
ゲームに破れた18番ホールで男泣きした兼本の右手をそのまま引き寄せ、いたわるように抱き締めたジョーンズは「彼は人生最高のゴルフをしたと思う」。
チャンピオンをたたえたあと、今度はお昼寝も我慢して応援してくれたキリンくんに駆け寄って、頬をすり寄せその胸にしっかりと抱き寄せることで、悔しさを紛らわせていた。