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ヨーロッパ選抜が逆転で5度目の戴冠
2年連続の王冠奪取を阻止すべく欧州チームは団結していた。
「昨年の悔しさがあるから…」惜しくもプレーオフで敗れた2012年。今年は王冠奪取を誓い、はるばる中国へ乗り込んできた。最終日のスタートで欧州キャプテンのオラサバルは、選手1人1人に声を掛け送り出した。
やはりアジアが優勢だ!途中までは誰もがそう信じていた。なぜなら、最終日もこの2人の勢いが止まらない。定位置となったトップバッターを務めるキラデク・アフィバーンラトとトンチャイ・ジェイディの2人。
終始リードし、相手に付け入る隙を与えなかった。早々にアジアチームは2ポイントを加算し、チームポイントは7対3と王冠奪取が目の前に迫る。
「昨年は最終日にプレーできなかったからね…」対戦相手のプレーイングキャプテンのオラサバルが首痛により棄権。選手が棄権した場合、相手も事前にプレーをしない選手を指名しなければならず、リストの1番に記載されていたキラデク・アフィバーンラトは最終日にプレーすることなく、応援にまわることとなってしまったのだ。
「あの日の分まで精一杯プレーした。そして何より僕ら2人がアジアチームに貢献できたことが嬉しい。」と勝利後にアジアチーム勝利を示唆する発言。
スコアボードを見ても、各マッチでアジアがリードしていた。
もう1ポイントも落とせない、窮地に追い込まれた欧州の反撃がここから始まった。
ホールが進むにつれ、各マッチで欧州がリードし始めてきた。
我らがチームジャパン石川遼は最終ホールまでもつれ込んだが、一歩及ばず惜敗。
もう1人のチームジャパン藤田寛之もショットに精細を欠き、16番ホールで敗退。
最終組を残して7.5ポイントでアジアと欧州が並んだ…。最終日のこの日、ポイントを手にしたのはアフィバーンラト、トンチャイの2勝に加え、最終ホールで見事引き分けに持ち込んだ韓国の金庚泰の3組だけだった。すべては最終組の梁津萬とニコラス・コルサールツの結果で勝敗が決まる。
1ダウンで迎えた最終ホール、アジアチームの自力勝利は消えていた。このマッチを引き分け、プレーオフに持ち込む為に、アジアが、欧州が一丸となって応援をする。
梁津萬のバーディーパットは大きくカップを過ぎ、難しいパーパットを残す。コルサールツはグリーンの外からパターで見事に寄せきった。梁津萬のパーパットに命運を託す。優しく打ち出されたボールはわずかにカップ右をすり抜けていった…。
瞬間的に頭を抱えたY・E・ヤン。「そんなはずでは…何かの間違いでは…」何度もリーダーボードで各マッチの結果を確認する。そして、最終マッチで敗れ、アジアチームの敗北が決まった。
「チームが負けてしまったのが辛い。どんな団体戦でもチームにどれだけ貢献できるか…」と石川は自分自身の不甲斐なさとショックを隠せなかった。
「早い段階でバーディー獲って、相手にプレッシャーを掛けたかったんですけど…」藤田は思惑通りのゴルフができず、初出場のロイヤルトロフィは悔しさだけが残ってしまった。
「悔しくて何も言葉が出ませんでした。でもこの8人は立派に闘ってくれました」キャプテンY・E・ヤンは会見で涙を浮かべながら話した。
来年はアジアがリベンジをする番となった。このまま易々と連勝させる訳には行かない。
また明日から王冠奪取へ向け、チームが動き出す!
<22日の最終日・シングルスマッチの結果>
Match1
× ポール・ローリー 3&2 キラデク・アフィバーンラト ○
Match2
× スティーブン・ギャラハー 4&2 トンチャイ・ジェイディ ○
Match3
○ マーク・ウォーレン 1アップ 石川遼 ×
Match4
○ デービッド・ハウエル 1アップ 金亨成(キムヒョンソン) ×
Match5
− アルバロ・キロス AS 金庚泰 (キムキョンテ) −
Match6
○ トービヨン・オルセン 3&2 呉阿順(ゴアジュン) ×
Match7
○ ベルント・ウィスバーガー 3&2 藤田寛之 ×
Match8
○ ニコラス・コルサールツ 2アップ 梁津萬 (リャンウェンチョン) ×
最終獲得ポイント:欧州 (8.5ポイント)VSアジア (7.5ポイント)