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浪速の“イドキ”が世界の“イドキ”に!!

現地時間の26日、全米プロシニア選手権を制し、アジア選手として初のシニアのメジャー大会制覇の快挙を成し遂げた井戸木鴻樹。30日、帰国優勝会見が行われた。

「皆さん、お騒がせしました。」
井戸木の冒頭の挨拶で、いきなり会場内は笑いの渦に包まれた。

昨年2012年に日本シニアツアーデビューをし、シニア参戦1年目でいきなりの
賞金ランキング2位となり、初の全米プロシニア選手権の出場権を獲得した。
練習ラウンドでコースをまわった時の印象について聞いてみると、
「難しかったですね。だけど他のメジャーな選手も難しそうにしていたので、気楽な気持ちになりました。」と気負うことなく出来たのかもしれない。

プレッシャーはなかったかという問いに対しては、
「予選だけは通ろうという気持ちでやっていたので、予選2日間はプレッシャーかかりながらまわっていました。3日目に入ってからは調子がずっと良かったので、その調子のまますんなりいけました。」

迎えた最終日、井戸木にとって室田淳が優勝争いをしていたことが大きかった。
「室田さんが優勝争いをしていたので、一つの目標として室田さんについて行こうと思ってやっていたことが良かった。」

優勝につながったプレーはと言う質問には「72ホールつながらなかったら勝てなかったと思います。その中でも、印象に残ってるのは最終日の10番ホールのパーセーブですね。完全にボギー、下手すればダブルボギーという状況の中、パーセーブすることが出来た、あれは大きかったですね。」と振り返ってくれた。

話がトロフィーの話に及ぶと食いつき気味にそのトロフィーの重さを強調した井戸木。
「重かったですよ。30秒くらい担いでカメラ撮影したんですけど、筋肉痛ですよ。」
優勝の味がずっしりと井戸木の体にしみ込んだに違いない。

当の井戸木本人は、帰国するまでは優勝の実感がなかったと言う。
「成田に着くまでは実感が湧いて来なかったですね。皆さんにお出迎えしてもらって、このような記者会見で大勢の方が集まってくれて、今はすごい実感しています。」

アジア選手初の快挙にゴルフ界に与える影響は大きい。
「僕が優勝したとことで若い選手たちも、どんどんアメリカに挑戦していって石川君や松山君みたいに世界にはばたいていく選手がもっと増えていってほしいですね。」

今回の優勝により、井戸木は今後生涯の『全米プロシニア選手権』、2013年の『全米プロゴルフ選手権』、2013年の『全米シニアオープン』、2013年の『全英シニアオープン』の出場権を獲得した。更には、2013年度のチャンピオンズツアー(日本で言うシニアツアー)に
ついても出場権が与えられる見込みだという。※現在確認中

これまで、「言葉はわからんし、来ても通用しないという考えもあって」海外の試合を避けてきた井戸木。今回の優勝により、井戸木の気持ちの面にも変化が表れたようだ。
「メジャーは全部出るつもりでいます。チャンピオンズツアーについては、チャンスを頂ければ日本のシニアツアーと空いたスケジュールを狙ってスケジュールを組みなおしているところもあります。」

これまでの浪速の“イドキ”から、これからは世界の“イドキ”となる。
今後の目標については、「二兎を追うものは一兎も得ずと言いますけど、出来れば日本のシニアとUSのシニアを出来るだけシードを保ってやっていきたいと思っています。」

今後の井戸木の活躍に注目だ。

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