1番ティから全選手が成績の悪い順番に出ていく、3日目の“ワンウェイスタート”で、今をときめく本間契約のホストプロたちが、なぜか朝早い時間にひしめく中で、汚名返上のビリケンさん。

ここ最近、ずっとショットの調子が悪くて悩んでいたが、「やっと解けた」と久しぶりのビリケンスマイル。「感覚的なものなんですが、今日も試合でやってみて、どうなるのかな、と」。ふたを開けたら、ピタピタついて「長いパットも10番くらい」。
ほぼピンそばのチャンスも、3日目にして「足の裏の感覚と、実際の速さと違う」と昨日まで悩んでいたグリーン上も、「やっと慣れてきた」と、前半はポコポコ入れた。

7番では155ヤードの2打目をほんの数センチにつける鮮やかなOKバーディに。「どこまで行くんやろう」と、本人も逆にふと不安になるくらい、猛ダッシュで16位タイまで上がってきた。

ただでさえ、ホストプロのプレッシャーに加えて「どこにでもいるから嫌なんですよ･･･」と、ビリケンさんの笑顔がふと苦しそうにゆがむ。
ラウンド中に、ふとそばの林に目をやると“TEAM HONMA”の面々が、こちらを心配そうに見つめている。
普段は試合中に、めったにクラブを変えることのない藤本が、この日はきゅうきょドライバーのシャフトを0.5インチ伸ばして45.5インチにして出ていった。
「使えるかどうか。3日目、4日目に試してみないと分からないところはあるけれど、。やっとショットの悩みも解けたし、悩みが解消できたのも良かった」と、インタビューに答えて、そんな感想を漏らした藤本の声にもじっと耳を傾けていたプロサービスのみなさん。
その心中を思えばこそ、なんとか結果をと思うほどにいや増す緊張感はありがたいやら、つらいやら。でも、そんな時こそ結果を出すのが男じゃないか。
「明日もまた、スコアを伸ばしてトップ10に入りたい」。最後の1日に、もうひと踏ん張りだ。

• 藤本 佳則