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マンダムルシードよみうりオープンゴルフトーナメント 2004

プロアマ戦とのダブル優勝を狙う鈴木亨が2位タイ

「2つとも行きたい、勝ちたいです」
プロアマ戦とのダブル優勝を狙う鈴木亨が2位タイ

2001年の今大会ー。

ホールアウト後は、「自分のゴルフを貫いた結果だから仕方ない」と気丈に話した鈴木だったが、このとき味わった屈辱と悔しさを、完全に払拭するまで1年もの時間を要した。

あの最終日は、2位と2打差の首位で先にホールアウトし、ほとんど「勝った」との確信を持って、18番グリーンサイドで後続組のプレーを見守っていた。その鈴木の目の前で、福澤義光が20メートルのイーグルパットを決めてプレーオフ。

その1ホール目の18番。鈴木は、ティショットで右に2発のOBを打ち、福澤にあっさりと初優勝を譲り渡 したのだ。

その後の試合でも、何度か優勝のチャンスを迎えながら「あのときのように、またひどく右に曲げるの では?」という恐怖にかられた。その後遺症は、翌年2002年6月のJCBクラシック仙台で、中嶋常幸とのプレーオフの末に勝利を手にするまで、長く鈴木を苦しめ続けたのだ。

あれから3年。完全に吹っ切った、といえばうそになる。

今週も2日間、18番ティグラウンドに立つたびに、当時を思い出して「心臓バクバク(苦笑)。 ・・・でも、とにかくバ〜ンっと! 思い切って振るしかない」。毎回、相当の覚悟を決めて打つティショット。この日2日目は豪快に、330ヤードドライブ。残り約220 ヤードの第2打は、6番アイアン。手前10メートルに乗せて、楽々バーディだ。

先週1週間のオフ週は連戦の疲れを癒すため、まったくクラブを握らず、1日30分のランニングと1時間のトレーニングに専念した。

それが精神的にも十分なリフレッシュにつながって、今週はすこぶるやる気。本戦前のプロアマ戦も幸 先よく、14アンダーでチーム優勝を飾っている。

「今週は(本戦での優勝と)2つとも、行きたい。勝ちたいです」。こんな強気な鈴木には、“18番ホールの悪魔”も、うかつには近寄れない。

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