記事
全英オープンリポート(水曜日)
近藤共弘は、ポットバンカーの攻略に頭を悩ませていた。「入れたら1ペナ。でも絶対に避けたいと思うと200ヤードくらい残ってしまうし、おまけにグリーンは狭いし、クラブ選択に困ってしまう」とつい出るのは泣き言ばかり。「このコースでごまかしはきかない」と、腹を据えて挑むことにした。
「中途半端なことをせずに刻む時は刻み、攻めるときは攻める。気持ちで負けないように。それができれば結果はついてくるはず」と、懸命に気持ちを奮い立たせる。
小林正則は「前言撤回」だ。火曜日に「ドライバーは使わないからバッグに入れない」と話していたが、「やはり、“いざというとき用”に入れます」と1日で考えをあっさり翻すことからも、相当にコース攻略に苦慮していることが伺える。
「練習ラウンドを重ねるたびに、弱音しか出なくなっている」と小林。「恥かいて帰ります」と、戦う前から不安で一杯。
弱気の虫は、まだ見ぬ子に思いを巡らすことで、吹き飛ばす。妊娠7ヶ月目の麻理子さん。お腹の子がこのほど男児だと分かった。
「おふくろは男2人育てたからガッカリしているみたいだけれど」と、笑いつつ「僕は嬉しい」。父親として、難コースに尻尾を巻いてばかりではいられない。
「生まれてくる子のためにもひと泡吹かせますよ」と、難コースに立ち向かう。