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ダンロップフェニックストーナメント 2008

プラヤド・マークセンが今季3勝目

昨年覇者のイアン・ポールターや南アフリカのアーニー・エルスら並み居る強豪を眼下に見下ろし、今年節目の35回大会にその名を刻んだのは、身長162センチの小さな巨人。

マスターズから招待を受けて、初めてオーガスタの地を踏んだのは今年4月だ。
5月には、三菱ダイヤモンドカップでツアー初優勝。アジアですでに6勝をあげていたタイの英雄も、参戦8年目の日本でようやくその壁を破ったら勢いはもう止らない。

以前はプレッシャーに弱く、ひとつのミスをきっかけにたちまちスコアを崩すことが多かった。
しかし6月のミズノオープンよみうりクラシックで2試合連続Vを達成したころには、初の賞金王さえ狙おうかという自信。

しかし虫垂炎で欠場を余儀なくされた10月の日本オープンは、片山晋呉がツアー通算25勝目。残念ながらその夢こそ断たれたが、依然として気持ちが揺らぐことはなかった。

この日最終日も終始、冷静なゲーム運びが光った。
特にパッティング。
スピードのあるグリーンに対応してこの週はパターをクロスハンドに握り、3番でカラーから11メートル。
7番も、やはりカラーから9メートル。
9番では7メートルと長い距離を面白いように決めて、一時は5打差をつける快走も11番パー3でクラブ選択ミス。
7番アイアンで奥に打ち込んだアプローチは枯れ枝の上からトップしてホームラン。
ダブルボギーを打って、続く12番はティショットを左に曲げてボギーだ。

たちまち貯金は消えたが焦らなかった。
いまもっとも勢いのある石川遼に、1打差まで詰め寄られたが「このまま我慢を続ければ大丈夫」と百戦錬磨の42歳に動揺は微塵もなく、しつこく食い下がる17歳をベテランの貫禄で振り切った。

今大会の優勝者はマスターズよろしく、前年度のチャンピオンからウィナーズジャケットを着せかけられるのが慣例だ。
連戦続きの体調管理に今年から夕方5時以降の食事を一切断ち、常に腹八分目。おかげでショットのキレが戻り、体重は3キロ減。
身長差23センチのポールターに着せてもらったジャケットは、すっかりヘコんだお腹にもしっくり似合った。
栄光のトロフィーを受け取って「本当に嬉しい」と大きな目を潤ませたがそれも一瞬だった。

喜びに浸る間もなくその足で大阪を経由して香港へ。さらに香港から陸路で中国へ入る。
深センのミッションヒルズゴルフクラブで行われるオメガミッションヒルズワールドカップで、トンチャイ・ジェイディと世界の頂点を目指す。
「このゴルフの調子でいけば、次も良い結果が出せそうな気がします」。
乗り乗っているチーム・タイが、谷口徹&今田竜二の日本代表ペアの最大のライバルになりそうだ。

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