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THE SINGHA CORPORATION THAILAND OPEN 2015
賜杯の争奪戦が、いま始まる・・・!!
今年は新たに国内最大シェアを誇る飲料メーカーのサポートを受けて、タイのサイアムカントリークラブパタヤプランテーションに会場を移して開催される「シンハコーポレーションタイランドオープン」。
11日木曜日の開催を前に、10日水曜日に公式会見が行われ、日本ツアーを代表するインターナショナルプレーヤーとして、この場に呼ばれたのは片山晋呉と韓国の金庚泰 (キムキョンテ)とそして、孔明。
「タイで、日本とワンアジアの共同主管でこうして試合が出来ることを感謝します。2年ぶりの開催にあたり、尽力してくださった皆さんに、お礼を言いたい」と、まず口火を切った片山。
過去5度の賞金王の新コースの印象は、とにかくこの一言に尽きる。「日本では、まず経験したことがないタフなセッティング。技術の差が間違いなく出る」。
片山の言葉に金もならった。「なんといっても小さなグリーンは、調子のいい選手とそうでない選手の差が出る。アイアンが鍵を握ると感じ、練習にも力を入れた」という。
地元メディアからも質問が出たが、これまでに日本で大成功を収めたといえるタイ選手は一昨年の覇者で今年は年またぎの連覇がかかるプラヤド・マークセンくらいだ。
「タイの選手が日本に来てまったく違うコースセッティングに戸惑い、なかなか結果が出せないのと、同じことでしょう」と、片山。
日本で活躍する海外選手も含めた“日本勢”にとっては、まずはいかに早くコースや環境の違いになじめるか。「暑さとの戦いでもある」と言った孔明は、その中でもコースの違いには、さほどの戸惑いは見せていない。
「昨年末と、今年初めに経験したから」。マスターズの出場権をかけて、昨年12月と2月に挑戦した2試合とも、ここタイでの試合だった。タイランドゴルフ選手権と、タイランドクラシックを経験して、その特色をつかんでいる。
「ただ問題はグリーンです。アプローチで狙うなら、それほど問題はない。でも幅が狭くて、ものすごく傾斜がきついので、たとえば6番アイアンだとピン位置によっては、たたみ一畳分の範囲に打って行かなければいけない。鍵はピンと同じレベルに乗せること。そうすれば、1日5アンダー、6アンダーは出せる」。
あとは、早くこちらの気候に慣れること。
常夏とはいっても、乾期と雨期の違いは大きい。「僕が年末年始に来たときは、これほどべとべとしていなかった。やはり、湿気があるときついね」。
その点ではやっぱり地元タイ勢が優勢だ。地元の英雄は、一昨年に続く連覇に闘志を燃やす。やはり会見に呼ばれたマークセン。1956年に第1回が行われた。国内で長い歴史と伝統がある今大会は、「タイの選手なら、誰もが出たいと思う大会です」。歴史と伝統と、格式高い今大会を、タイの選手が制したのは史上3人目で、10年ぶりの快挙であった。
マークセンの連覇を阻止する日本勢がいるとすれば、と報道陣に聞かれたマークセン。「しいて一人を上げるとするなら、孔明選手。飛距離と、アイアンショットの正確性が素晴らしい」と、持ち上げながらもライバル心むき出しだ。
タイ王室の紋章が刻まれた優勝トロフィ。「誰にも渡したくない」(マークセン)。
「日本人選手がここで活躍することが、大会に尽力してくださった方々への何よりの恩返しにもなる」(片山)。
さあ、賜杯の争奪戦がいま、始まる。