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とおとうみ浜松オープン 2012

藤本佳則はツアー最速Vを逃す

史上最速のツアー初V(※)は、最後の最後に藤本の手からするりと逃げた。2打差の首位から完全優勝を狙ってスタートした最終日は、同組は東北福祉大で11歳上の谷原秀人との直接対決にも8番で長いバーディトライを決めるなど常にリードを保ち、デビューからわずか3戦目の初優勝は目前だった。

専属キャディの前村直昭さんと息の合ったタッグに、常に笑顔が絶えないラウンドも、14番で4メートルのバーディチャンスがカップに蹴られ、さらに15番では1メートルのパーパットがまたしてもカップに嫌われ、このときばかりはさすがに厳しい表情に。

16番で2メートルのパーセーブに、息をついたのも一瞬だった。
17番も第2打がグリーンに届かずボギーを打って、とうとうチョイに並ばれた。
迎えた18番は、前の組のチョイが先にバーディを沈めて終えたのを、フェアウェイから見ており、藤本も4メートルのバーディチャンスは絶対に外せなくなった。

「しびれてはいなかったんですけど、ああいうところで入れられないと、やっぱり勝てないですよね」と、アマチュア時代から経験豊富な22歳は反省しきりだ。

今回は、駆けつけた家族に優勝で報えなかった。2位賞金は、開幕戦での7位にさらに1000万円を上乗せて、わずか2試合の獲得賞金は1429万円。デビュー年の初シード入りにはさっそく目星がつきそうだが、アマチュア時代からそうであったように、藤本の目標はそこではない。

「シードは最低条件なので。今年は2勝するつもりで来ているので。ツアーはまだまだ始まったばかりですので。自分に期待して頑張ります」。
負けたのは悔しいには違いないが、「近々必ず勝てる」との手応えを得た4日間でもあった。

※藤本がこのデビュー3戦目の初優勝を達成していれば、99年のJGTO発足以降としては最速記録となるはずでした。

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