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とことん曲げない22歳が偉業達成!
なんと、71.66%という驚異の安定感で、今年ももっとも曲げない男の称号を手に入れたのである。
正式に、計測がスタートした2001年以降の記録にはなるが、いまだかつて70%台を記録していたのは井戸木鴻樹の一人だけ(※下記参照)。
2013年の全米プロシニアで、日本勢として初のメジャー制覇を達成した“ドキドキ、ドッキー”こと井戸木がレギュラー時代に残していた記録を22歳の稲森が、軽々と大幅更新してみせたのである。
樹立した71.66%は、1256ホール中900ホールでフェアウェイを外さなかったことになる。
昨年、初の戴冠時に曲げない秘訣について、独自の理論を語っていた。
「ティーグラウンドでは打ち出す方向を、広く感覚で捉えて、いざ打つときは、狙い目を点で決め、銃で撃ち抜くみたいに。決めたらぐちゃぐちゃ考えず、思い切り打つ」。
しかし今年は、2度目の受賞に加えて記録更新がかかっており、なかなか本人も「ぐちゃぐちゃ考えず・・・」とはいかなかったようだ。終盤戦にさしかかると、1日終わるごとに、スタッフに現状を尋ね、今後の見通しを計算してもらい、特に2年連続の出場を決めたシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」ではいよいよ慎重だった。
ついに最終日を前に、今年残る1日は4ホールでフェアウェイを捕らえられさえすれば、井戸木の記録を越えることが出来ると分かって、気合いが入った。
初日はパー3をのぞいた14ホール中13ホールでキープ。2日目はやや精彩を欠いて5ホール。3日目はまた13ホールと来て、最後は12ホールでフェアウェイを捕らえて、偉業達成!
賞金ランキングも2013年の初シード入りから75位、29位、そして今年は26位と年々、着実に上昇中。
来季こそ、ツアー初Vが待たれるが「まずはJT(シーズン最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップ)に出続けることが大事。来年は今年以上の成績を残してまた東京よみうりに帰ってきたい」。
目標も曲げずに22歳が邁進する。
※<記録が残る2001年以降のフェアウェイキープ率1位者一覧>
2001年 平石武則 67.36%
2002年 井戸木鴻樹 66.58%
2003年 井戸木鴻樹 69.83%
2004年 平石武則 65.13%
2005年 井戸木鴻樹 70.32%
2006年 井戸木鴻樹 68.93%
2007年 井戸木鴻樹 68.21%
2008年 白佳和 64.19%
2009年 金亨成 66.11%
2010年 井戸木鴻樹 66. 48%
2011年 井戸木鴻樹 68.67%
2012年 河野祐輝 65.97%
2013年 川村昌弘 63.75%
2014年 時松隆光 69.00%
2015年 稲森佑貴 69.61%
2016年 稲森佑貴 71.66%