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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2004

横田真一「師匠の真似をしちゃいました」

通算13アンダーで迎えた18番パー5。グリーンエッジからのイーグルパットにのぞむ直前、横田はおもむろに、ペットボトルの水を口に含んだ。
実はそれこそが「師匠」と慕う丸山から伝授された、とっておきの秘策だった。

この週は練習日から毎晩、夕食を共にして、丸山のよもやま話に耳を傾けた。
「いつもながら、視点がグローバル。丸山さんは世界全体の動きを見ながら、ゴルフをしている人。話す内容も、僕らとぜんぜんレベルが違うんです」。
その口から語られること、すべてが新しい発見と驚きの連続。

その中で丸山が、最近、必ず水を飲んでからショットするというルーティンを守っていることを知った。
「そうすることで脳に酸素が送られて、冷静にプレーができるんだって。それを今回、僕も真似しちゃったんです」。

果たして、水を飲んだあとの長い長いイーグルパットはど真ん中からカップに沈み、その時点で首位タイに浮上。後続組の丸山とともに、横田も優勝の可能性を残してホールアウトしたのだった。

まだ、最終組が数ホールのプレーを残していたとき、「もし、このままプレーオフになったら光栄でで」と、横田は言った。
「丸山さんとプレーオフに行けるなんて、ほんと最高じゃないですか」。
その願いこそかなわなかったが、横田にとっても実り多いこの1週間。もちろん、横田だけでなく他の
多くの選手の心にも強烈な印象を刻みつけて丸山は、再びその足で、主戦場へと帰っていった。

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