記事

ISPS HANDA 燃える闘魂!! チャレンジカップ 2018

苦しみながらも逃げ切った木下稜介「長い1日でした」

 前日の大会2日目は自他認める完璧なゴルフを展開した木下稜介。それだけにこの日のゴルフは苦しかったに違いない。
「ピンチばかりで長い1日でした。4打差ということで勝って当たり前と周囲からは言われていたので、勝てなかったら…というプレッシャーが朝からありましたね。ショットも飛びすぎたりして、これが優勝のプレッシャーかなと。心境の変化がいつも通りのゴルフができなかった一番の要因だと思います」とは最終日を振り返る。
 悪い流れをなんとか食い止められたのが9番ホールのバーディだった。「8番を終わってオーバーパーで。セカンドショットが116ヤードだったんですが、52 度で打ったのがワンピンくらいについてくれました。それを決められて少し落ち着くことができたのが大きかったです」。

 このパットの際に木下はボールに引いたラインをいつも以上に慎重にラインに合わせてセットしていた。ボールにラインを引き始めたのは最近のことで、石川遼らのキャディを務める佐藤賢和にパットについて相談した際に、ラインを引いてみたらとアドバイスを受けた。それで実践してからフィーリングが良くなったと言う。その成果を今週は優勝という形で残すことができた。
2013年にプロ転向したものの、優勝はおろかシード権さえ獲ることができずに苦しい日々を送っていた。それでも自分を信じて、上手くなりたい一心で同郷の谷口徹や同級生の石川遼らに積極的にアドバイスをもらうようにした。特に同郷の大先輩である谷口は木下にとって特別な存在だ。10歳でゴルフをはじめて、中学3年の時に参加した奈良県ジュニアスクールに谷口徹が講師として参加していたのだ。そのスクールに今は谷口徹と共にプロとして参加しているのだから感慨深いものがある。
この優勝を谷口も喜んでくれるに違いないが、次は同じレギュラーツアーの舞台で優勝争いを演じることを木下は夢見ている。

関連記事