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祝・マスターズ出場!
マスターズへの初切符もまた土壇場でみごとに引き寄せた。
本人は周囲の祝福ムードに戸惑いながら、「手元に招待状が届くまではまだ・・・」と慎重でも、こみ上げてくる喜びは、隠しきれない。
元旦に予定している里帰りも、例年以上に心が弾む。
ちょうど10年前の自身の結婚式でも約束をした。
「オヤジを必ずオーガスタに連れていく」。
幼少期からの夢は、今年8月に倒れ療養中の父・優さんの夢でもある。
たとえ賞金王になっても、もはや慣例ではなくなった。世界ランク50位にいなければ、招待状が届かなくなったが、「やはり日本の1位が、マスターズに行かなくてはいけない」。
2期目の選手会長のひそかな使命感でもあった。
日本ツアーの全日程が終わった時点では、同58位も「どこかで最低1勝しないと。ここから先が難しい」と覚悟の上で、あえて挑んだアジアンツアー最終戦「インドネシアンマスターズ」で、執念の4位に入って大学の後輩との約束をも叶えた。
松山英樹から電話をもらったのは10月。72ホールノーボギーの完全試合をなしとげた「HONMA TOURWORLD CUP」で今季3勝目を達成した直後に、「マスターズで待ってます」。
今年世界ランク2位まで上り詰めた男からの激励こそ、強烈な引きの力にして優作が、今季最大の幸運をたぐり寄せた。
今年は本当に最初から最後まで、まさに息もつかせぬ感動ドラマの数々も、「家族の存在があったから」と優作は言う。
宮里家には激動の1年を、常に明るく照らし続けた次男坊は「今年は藍が引退をして、兄の聖志はシード権を喪失した。宮里家の露出が減ってしまうという状況の中で、大黒柱として頑張ろうと思いました」と優作は言ったが互いに昨年の“初就任”から、共に歩み始めて丸2年。
JGTO会長は「優作は今やゴルフ界の柱と言ってもいい」と、青木功は2期目の選手会長の功績に、最大の賛辞で感謝を示した。
「今年は特に、宮里家ではいろんなことが起こって、いい話題も悪い話題もあったが最後に締めくくれて良かった」と、本人も怒濤の1年をしみじみと振り返ると共に「来年以降、どういうゴルフをするか考えさせられる1年だった。これで、満足することなく次のステップに目を向けて、まだまだ上手くなりたい。強いゴルフを目指して1打でも縮めていきたい」と、年明け早々に渡米。
ハワイのソニーオープンを皮切りに、休みもなく世界中を飛び回り、夢の舞台に備えるつもりだ。
今度は世界に飛び出す選手会長。
「来年も選手一丸となって、ゴルフ界を盛り上げていきたいと思います。みなさま。引き続き、男子ゴルフをどうぞよろしくお願い致します!!」。
年の最後に改めて頭を下げた。
(写真=上から)12月4日のジャパンゴルフツアー表彰式では最優秀選手賞のほか、賞金ランキング1位に輝いた宮里には、森ビル株式会社の辻慎吾・代表取締役社長様より賞金100万円と副賞として、株式会社レオパレス21の深山英世・代表取締役社長様より「レオパレスホテルズ札幌・仙台・名古屋・博多のいずれかの6泊宿泊招待券またはレオパレスリゾートグアム6泊宿泊招待券」が。
平均ストローク賞には、カシオ計算機株式会社の樫尾隆司・上席執行役員様より賞金100万円と、副賞として高級腕時計「OCEANUS OCW-G2000G」が贈られました。
また、選手の活躍をもっとも間近で見ている記者のみなさんの投票で決まるゴルフ記者賞には、スポーツニッポン新聞社の福永稔彦様より、記念のトロフィが贈られました。
今年もジャパンゴルフツアーにたくさんのご声援、ご協力をまことにありがとうございました。