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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2017

運も味方に・・・!! 時松隆光が通算2勝目

36ホールVも勝ちは勝ち!! 堂々と
最終日を戦わずして、ツアー2勝目を飾った。それでも普段どおりにスタートの2時間前にコース玄関に車をつけて、フロント前で満場の拍手で迎えられても「1勝目は運。2勝目でやっと実力と言いますが、僕は2勝目も運でした」と、恐縮した。
「次は、72ホールやって3勝目で認められるようにしたい」と謙虚に言ったが前日3日目の第2ラウンドでは土砂降りの中で、平均飛距離268.75ヤード(今週2日間計測分)の選手が出した64は見事であった。

テレビ解説の丸山茂樹も「あれでよく真っ直ぐ打てる。教えて師匠!」と、感心した。ベースボールグリップで器用に打つショットは驚異の安定感で、短縮競技を見越した強気のパットも面白いように決まった。昨日、最後の9番で沈めた渾身の3メートルが、結局ウィニングパットになった。

今季序盤は深刻な不振も9月から、ブリヂストン社の新ボールを使い出した途端の上昇気流は、同社主催の大会で、最高潮に達した。
大型台風21号が上陸する前に3打差の単独首位につけた前夜、同世代のプロとの飲み会は、早々にまるで祝勝会みたいになった。

秋吉に出水田に香妻。あとから川村も加わり、「“おめでとう”と言われて。けっこう呑まされた」と、麦焼酎の瓶を半分ほど空けて酔っ払い、気持ち良く目覚めたら、携帯電話にスタッフから中止の一報が入った。

優勝賞金は主催者のご厚意で、75%の2250万円を頂戴したが、規定により賞金加算は1500万円。たとえ半額に減額されてもこの先2年と半のシード権も、来年のWGC・ブリヂストン招待の出場権ももらえる。
クラブハウスの表彰式で「今年は松山選手が勝たれた大会です」と、西海和久・大会会長に耳打ちされた。
主催者のみなさんのてまえ「松山さんにも負けないように・・・」と、表彰式では一応、声を張ったがその後の会見では「あわよくば、練習ラウンドでご一緒できれば」と、たった1歳上の世界ランク3位にかしこまった。

初めて挑戦するメジャー級の舞台だ。「僕の場合はPGAの選手と戦う発想がなかった。出ることに意義がある」と、ゲンちゃんは背伸びをしない。
「向こうの選手と比べて僕には何が足りないか」と、その点ではまだ行く前から「一番は飛距離」と、飾らず言った。
「ダスティン・ジョンソンにはきっと100ヤードは置いて行かれる」と覚悟の上で、「僕なんかがなかなか見る機会のない選手が見たい。ザック・ジョンソンとか、飛距離がないのに、その舞台で戦っている人が見たい」としっかりと、目に焼き付けてくるつもりだ。

ちなみに36ホールで決着したトーナメントは73年のツアー制度施行後から6例(※)あり、今大会では91年。前回の棚ぼたV(?)はJGTO会長の青木功。優勝スコアは10アンダーだった。
「お前は1打負けてるからな!」。
表彰式で、世界のアオキに茶目っ気の負けん気を出されたが、実は当時のパー設定は72。
正確には、時松が勝ってることになるが「口が滑っても言えないです!」。
直立不動で、敬意を表した。

※36ホールで決した過去のトーナメントは
1980年 KBCオーガスタ
1981年 ゴルフ日本シリーズ
1987年 ゴルフ日本シリーズ
1991年 ブリヂストンオープン
1998年 よみうりオープン
2011年 フジサンケイクラシック

  • インタビュアー丸山の優勝会見。原因不明の手のひら痛に苦しんでいる丸山はベースボールグリップに興味津々。「こう?こうかな? 教えて、時松師匠!」「そ、そんな・・」
  • 西海社長のプレッシャー?! 今年、松山が勝った大会の出場権利を獲っちゃったゲンちゃん
  • 91年大会で、同じ36ホール決着の勝者も「俺が1打勝っている!!」世界のアオキの負けん気に、直立不動で「はいッ・・・・・・!!」

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