記事
三井住友VISA太平洋マスターズ 2020
まずは、日本のマスターズから! 木下稜介が「63」で初Vチャンス
非の打ちどころがないスコアカードにニンマリした。
もうひとつ獲ったら改造後、パー70でのコース新だった。
「(後半の)8番もワンピンでした」。1差で取り損ねてちょっぴり無念。
数ある中でも「一番の手応え」は、後半3番のパー5。
「ティショットもセカンドも、パットも良くてイーグルが獲れた」。フェアウェイから285ヤードの2打目を3Wで花道から転がして、4メートルのチャンスを沈めた。
唯一のピンチは6番。だが、「5メートル残ったパーパットも入る気がした。いい意味で、今日は何も考えないでプレー。ゾーンに入った感じ」。
ボギーなしの1日7アンダーで、自身初の首位タイにのし上がっても、好戦の余韻はしばらく解けなかった。
1月の「SMBCシンガポールオープン」で6位タイに入り、来年に延期となった全英オープンの出場資格を持っている。
「それが今のモチベーション」。
初メジャーへの思いを大切に温めながら、コロナ禍の鍛錬に励む。
昨年末から、本格的に始めた無酸素運動は、今も時々吐いてしまうが「おかげで飛距離が伸びた」。
DRなら5〜10ヤード、アイアンで3、4ヤード。
ショットの安定感も増して、初Vへの思いも募る。
「調子も良いので今年、もしもっと試合があったらもう優勝できていたかもしれない…」。
口惜しいまま、持ち腐れにしたくない。
「勝って、全英オープンに行けたら最高ですね」。
同い年の松山英樹は同じ四国の出身で、ジュニア期から親交がある。全英オープンで、練習ラウンドの約束をしてあるが、1年伸びても覚えていてくれるだろうか。
今週は、マスターズで戦う偉大な親友。
「僕もいつか出たい気持が強いが、まずは今週、ここで頑張る」。コロナ禍の延期で、奇しくも開催が重なった日本のマスターズで結果を占う。
出場枠が少なく、敷居の高い今大会は、初シード入りの18年から2年連続の出場。学生時代はこの大会に出ることが目標だった。「プロになり、今度はここで勝ちたい」。
次々上がっていく夢のハードルも、成長のあかしだ。