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JGTO会長・青木功より新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。
昨年は、一般社団法人日本ゴルフツアー機構ならびに弊機構が主催、主管致しますジャパンゴルフツアーに格別のご高配をいただき、厚く御礼を申し上げます。

昨年の3月に新しく会長に就任し「あっという間の1シーズン」というのが、実感です。こんなに時間が過ぎていくのが速いものかと、驚いています。それというのも、これまでの人生のほとんどを、クラブを握って、ゴルフをすることに費やして来ましたが、この1年間は、むしろフェアウエイの外側からトーナメントを見つめ、そしてJGTOの会長という立場で、ときに俯瞰し、そして細部に渡って問題点を見極めるという職務で、なかなか自分の身体に馴染まない時間が多かったからだと思います。この1年、できるだけ多くのツアープレーヤーと接して、ことあるごとに話し合い、選手たちの気持ちや立場をしっかりと聞いて、そしてJGTOが目指していく方向に対しての理解を得るべく奔走しました。

昨シーズンは、112年ぶりにゴルフ競技がオリンピックに復活した年でもありました。片山晋呉、池田勇太の両選手ばかりでなく、日本のゴルフ界全体にとっても記念すべき年でした。けれども、ゴルフ界にとっては、初めてのオリンピックのゴルフ競技の参加ということで、数多くの問題点も浮き彫りにされました。2020年の東京に向けて、環境をどんどん改善し補強していかないといけないと思います。JGTOとして、何ができるのかを含めて、取り組んでいきたいと思っています。

2016シーズンは、特に終盤になってからの熾烈な賞金王争いが注目されました。一歩も譲らない谷原秀人・池田勇太選手の戦いぶりには、最終戦までその行方が解らないという白熱したもので、とても見ごたえのあるものでした。その結果、池田勇太選手が初の賞金王に輝き、マスターズに6年ぶり3度目の出場も確定しました。世界で活躍する松山英樹選手に触発されて、JGTOツアーの選手たちも俄然、世界へ向けての、より高度なパフォーマンスを見せるべく精進してきています。池田選手、谷原秀人選手ら賞金ランキングの上位陣が、強くけん引力を発揮することで、ツアーの活性化に繋がっていくと信じています。

弊機構は併せて、毎年さまざまなチャリティ活動や社会貢献、普及活動も行っております。2016年度は、熊本地震災害義援金として総額3,485万2,541円。高松宮癌研究基金へ総額95万2845円を寄贈させて頂きました。さらに歴代の選手会長の宮本勝昌が「僕らが行くのは当たり前でしょう」と引率して宮里優作新選手会と一緒に私も「熊本の子たちのために、僕らも少しでも出来ることをしたい」という選手会の気持ちに同調して訪問させて頂きました。今後も、さまざまなかたちで弊機構が出来る限り社会貢献をして行きたいと思っております。

ゴルフ競技は、個人の戦いであり、トーナメントはその高いレベルの技量を披露してゴルフファンに喜んでもらうフィールドでもあります。個人のプロフェッショナルとしての研鑽は、もちろん大切です。けれども、年間を通したツアーという視点から見ると、選手個人個人は、大きなJGTOのチームの一員でもあるわけです。ですから、より活性化をはかるためには、JGTOの選手全員のチームプレーが必要でもあるわけです。選手たちが、よりよいパフォーマンスを見せてくれるために、どう環境整備、舞台設定をしていくべきかが大切だと思います。この1年間は、まずは現状を知ること、意見を聞くこと、問題点を把握することに費やされました。抜本的な改善からスタートしていかなければなりません。それには時間が多少かかるかと思いますが、一歩一歩前進し改善し、より魅力あるツアーにしていく努力を続けたいと思います。

2016年のスローガンは「人を育む」とさせて頂きました。新年度もその気持ちをさらに徹底させ、選手ばかりでなくすべての関係者を含め、活性化に向けて結束力を高めていきたいという気持ちから「共に歩む」とさせて頂きました。日本の男子ゴルフ界、すべてのゴルフ界がチーム一丸となる前向きな姿勢を持つ意味でも、共に歩んでいきたいという気持ちからです。

改めて、多くのトーナメント主催者、特別協賛社、そのほか関係各位のご理解とご協力によるものであり、心より感謝いたします。
私たちは、皆様のご期待に沿えるように、本年も役職員、ツアーメンバー共々、トーナメントの活性化を目指し、より一層の努力を続けていかなければ、希望の灯は見えてきません。今年度は、文字通り改善の年でもあります。
本年も皆様方の御支援、御協力をお願い申し上げます。

一般社団法人 日本ゴルフツアー機構 会長 青木 功

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