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丸山茂樹は「ポンコツだけど・・・」米シニア挑戦を視野に(ザ・レジェンド・チャリティプロアマ初日)
今年、初出場してくださったますだおかだの岡田圭右さんと、この日の同伴競技者でもある平成ノブシコブシの吉村崇さんとの抱腹絶倒のオンステージは、ホンモノの漫才コンビさながら。
饒舌に笑わせきったその後で、ちょっぴり切ない胸の内を語った。
「今も一生懸命にテンション上げたけど、やばい吐きそうだった。緊張した」。
チャリティイベントながら、競技復帰は実に16年のANAオープン以来である。
久しぶりに大観衆に囲まれ米ツアー3勝の先駆者が、意外にも「スタートで名前を呼ばれてふわふわ宙に浮いた感じ。体に力感もなく、ヘッドの重量も感じなかった」と日本ツアーは10勝のマルちゃんも、長いブランクには抗しきれなかった。
「今日はほとんど1パット。内容はぐたぐただった」とシビれながらも、「ボロボロでも頑張っている姿を人前で見せられたのは良かった」。
持病の左手の親指痛で、戦線を離脱して長く経つが、昨年9月に動脈に、カテーテルを通す画期的手術に踏みきりようやく改善。
さらにはベースボールグリップで、患部の痛みを減らし今年は1月から打ち込みを重ねて「プライベートでは60台も出る」と、明るい兆しも見えるが「飛距離は落ちたし、ボールが全部右飛びそう」と、慣れない変則グリップへの不安はまだまだ、ぬぐえない。
それでも、初日は73を出して「75を切れたら最高だと思っていたので嬉しかった」。
同スコアか、それ以下にはレギュラーツアーのシード選手もいて「俺に並んだか、負けたかのやつ!! おしおきだべぇ」と、若手にマルちゃん流のカツを入れた。
「この大会に、なんとかエントリーできてよかった」と、10年目の節目を迎えた青木功主催のチャリティイベントに、久々のプレーで報いたことにも喜んだ。
「ボロボロだけど、ここからどこまで這い上がっていけるか。挑戦という気持ちがなくなったら終わり。どんな形であれもう1回ステージがあるなら、そこに行けたら」と、いよいよ50歳を迎える来期、米シニアのチャンピオンズツアーへの挑戦をも視野に入れる。
「凄かった時の丸山ではなくて、ポンコツだけど頑張っている、そういう丸山を見てもらえたらいいな」。
プロもアマも力を合わせて子どもたちに夢と希望を贈ろうと、老いも若きも一丸となるこのチャリティイベントではなおさらマルちゃんの奮闘が大きな意味を持つはずだ。