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日本オープンゴルフ選手権競技 2015
厳しい戦いにはシャツもはみ出ちゃう!? 金谷拓実さんが5位タイで最終日へ
朝刊に踊るタイトルは「88年ぶりのアマV」に、「凄く緊張して・・・」。2番から、連続ボギーでメジャーの洗礼。それをきっかけによりいっそう、増えていく「金谷、頑張れ!」の大声援。「ホールとホールの間でも、名前を呼んで、応援してくださる人が凄く多くて、こんな大きな大会で、初めて最終組で回れることが嬉しくて。夢のような感動でした」と、まだ高校2年生と多感なお年頃はご両親の観戦は、照れくさくてちょっと勘弁でも、いちプレーヤーとして、大ギャラリーに認められて回れることが、この上ない喜びに変わった。
序盤こそ、躓いても「昨日、一昨日と変わらず、プレーに集中できた思う」と、そのあとは大崩れもなく、2オーバーで持ちこたえて上がってきた。
得意なパットも、日々より研鑽を積み、ひょろりとした体を柔らかく使ったショットも17歳とは思えないほど、巧みに操る。それでも、身長170センチに、60キロの体重を、もっと増やして逞しくなりたくて、「必ずご飯は二膳、食べるようにしている」。しかしもともと食が細くて、そんな日課も「苦痛」でさえある。
試合が始まると、「気持ちも高ぶる」。しかも舞台は初挑戦の日本一決定戦。空腹を忘れるほどにプレーに集中して、キャディバッグに入れているバナナも結局、そのまま持って帰ってきて「ラウンド中は、ゼリーをいくつか食べるくらい」。
そのせいだろうか。前日の2日目あたりからしっかりベルトを締めても、いつの間にか、コースでシャツの裾が出てしまう。
JGA主催の格式ある大会で「みっともない姿を見せたくない」と、フェアウェイで入れても入れてもまた出てきて「何ででしょう・・・。大会中に痩せたんですかね」。
トッププロさえタフな戦いに、高校生も痩せる思いで踏ん張っている。
ジュニア仲間の勝みなみさんからやっと前夜、メールが届いた。「頑張ってるじゃん」。昨年は、史上最年少のアマVを成し遂げた女子ツアーでも、最終日のV争いの最中におにぎりを頬張った。最終日こそ、そんな親友の強心臓を見習いたい。