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2003年シーズン開幕間近!中国の張連偉、2年目の春

写真=3月のダイナスティカップ、張(=左)は、中国の梁文沖(=右)とダブルスを組んで3戦3勝
間もなく、2003年シーズンが明ける。
今年の第1戦、東建ホームメイトカップ(旧称・東建コーポレーションカップ)は、三重県の東建多度カントリークラブ・名古屋で開催される。
この新シーズン、台風の目となりそうなのが中国出身のツアープレーヤー第1号、張連偉だ。
張は昨年、日本ツアー本格参戦1年目にして幾度も優勝争いに絡み、賞金ランクは22位。ルーキーにしてあっさりと初シードをもぎ取って今年、2年目の春を迎える。
このオフには、さらに自信のつくタイトルを手に入れた。
今年2月のことだ。
欧州ツアーのカルテックスマスターズ最終日、最後まで競り合っていたアーニー・エルスを、最終ホールで逆転して初優勝をあげた。 相手は世界ランク2位の選手。
「自分でも、信じられませんでしたよ」と、張は目を丸くしてみせた。
この優勝で、張は優勝賞金15万ドルを手に入れた。日本円にして約1800万円は中国ではかなりの価値に相当する。
3月、地元・中国深センのミッションヒルズで行われたアジア対日本チーム対抗戦ダイナスティカップでいちばん人気をはくしたのは、当然、張だった。
張が姿を見せるたび、羨望のまなざしの大ギャラリーが、あっという間に取り囲む。それで次の日から張には、約30人編成の警備体制がとられることになった。
制服、制帽姿の警備員が、四六時中、張をガードしていっさい人を寄せ付けない。ものものしい光景だった。
それは張が、いまや、押しも押されぬ中国ナンバー1選手まで上りつめたという、何よりの証拠だった。

しかし当の本人は、そんな変化に戸惑い気味にこう繰り返す。
「まだまだ、僕には勉強が必要です。人生は長いです。今までと変らず、これからもゆっくり、ゆっくり焦らず頑張って、もっとたくさん優勝したい。・・・次の目標? もちろん、日本ツアーでの優勝ですよ」
そう言って、穏やかな笑顔を浮かべた張。
以前と変らぬ謙虚さの裏側に、鉄のように固い意志が、見え隠れしている。

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