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三井住友VISA太平洋マスターズ 2019
21歳のホストプロ。小斉平優和が夢を追う
富士山から強い風が吹き下ろした難条件で、5バーディ3ボギーの68。2アンダーの7位タイで、初日を出た。
「パットがめっちゃ入りました」と、後半の5番では16メートルをねじ込んだ。
7番のバーディパットも、10メートルはあったという。
最後の9番では1メートルのチャンスも逃さなかった。
好発進で、さっそく主催者を喜ばせた。
大阪府の高槻市出身。父親の指導で、物心つく前からクラブを握り、ジュニア時代から優勝経験も豊富。
高校3年の12月でプロ入り。
すぐにも活躍を期待されたが、シード入りには至っていない。
「自分はパットが上手いと勘違いしていた」という。
「舐めていた」。
いざ、上がったプロの高速グリーンにまったく歯が立たずに、愕然。
「全然通用しなかった」。
今大会は、主催者推薦での初出場が決まるとすぐに、たびたびここ御殿場コースに足を運び、ラウンドを重ねた。
「強かったり、弱かったり、最初はまちまちだったグリーンのタッチも相当練習して合ってきた」。
いざ本戦週の火曜日には、ベテランの谷口徹に練習ラウンドを申し込み、「お前は上手いけど、下手やな」との深い金言も授かった。
「ゴルフは上手いけど、マネジメントがなってない」と厳しい指導を受けたが、開幕までたった2日では攻略しきれず「頭悪いから、一人では考えられない」。
倉本昌弘などトッププロを支えてきたベテランの渡辺宏之キャディにも力を借りて、好スタートが切れた。
ここ御殿場は01年には、ワールドカップの舞台ともなり「ウッズが18番でチップインしたシーンは、インスタで何度も見た」。
ジュニア時代は、11年の松山英樹のアマVにも感激。テレビで見た、最終ホールの劇的イーグルを思い描いて「僕もあんなふうに優勝したい。憧れの大会でした」。
この日の初日は最初、「緊張していた」。
ホストプロのプレッシャーも乗り越え、首位と3打差から夢を追う。