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今年は最終日のV争いで泣けたら最高?! 市原弘大が3度目の全英オープン

思い入れのある舞台には約束どおり、相棒を連れて帰ってきた。全英オープンは「思い入れのあるメジャー」。市原弘大も、2年ぶり3度目のリンクスコースで最終調整に取りかかった。

時松や川村らとの練習ラウンドでは、フェアウェイの感触を確かめ、「今日はクリークで打ったら計算がつかないくらい飛んだ。警戒して、刻みすぎてもよくないのかな」。
刻々と変わっていくコースの状況を鑑み思い込みを捨て、いざ本戦ではドライバーの回数も、適宜増やしていく予定だ。

過去2度ともに、メジャーの晴れ舞台に立ちながら、日本ツアーへの賞金加算を片隅に、シード権のことを考えながらプレーをしていた節がある。「今回はそれがない分、思い切って楽しめるかな」。

3度目の今年は6月に「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップShishido Hills」で、悲願のツアー初制覇という手土産を持って来られた。
5年シードの偉業を支えてくれた臼井泰仁キャディはいまは宮城県石巻市で家業を継ぐが、このたびの遠征も有給休暇を取って“スポット参戦”。夢の舞台も一緒に歩いてくれることになって心強い。

前回の2016年は2日目に、観戦に来てくれた父と感泣の予選通過。
照れ笑いで振り返った。
「去年は状況が状況だったので・・・」。
スタートから3連続ボギーを叩き、予選カットライン上で迎えた最後の18番では1.5メートルのパーパットをしのいだ。
見上げた巨大なギャラリースタンドに見つけた父親の喜びが伝わってきて、思わず涙していた。「やりきった感覚があった」と昨年2日目の感動は、今も心の奥にくすぶっている。

「今年は最終日にギャラリーがいる中でやれたら」。
日本ツアー初優勝の際にも涙が止まらなかった。
うれし涙なら、何度流したって構わない。

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