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賞金王は逃しても、今年も飛ばしは日本一! チャン・キムの2017年

ミスターも、世界のアオキもその飛距離にはあんぐり・・・(7月、今季2勝目のセガサミーカップから)
来季、米二部のウェブ・ドット・コム・ツアーの出場予選会は先週の日曜日に終了したが、スコアボードには名前がなかった。

17歳の時に、アメリカに渡った。「いつか自分が育った国のツアーに出ることが目標」とまずは同ツアーの出場権の獲得を、一番の目標にしていたが今年は結局、見送るしかなかった。

今年、賞金レースの主役を演じたチャン・キムが終盤戦で、特に心を痛めていたのは、ファンやスポンサーなど支えてくださる皆さんの前で最後まで、パフォーマンスを見せられなかったことだった。

三井住友VISA太平洋マスターズに続いて、シーズン最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」も腰痛のため、途中棄権せざるを得なかった時も、「本当に申し訳ない」と、しきりにそのことばかり気に病んでいた。

恩人への感謝を常に忘れない。恩義に厚い男は、土壇場でレースから降りるしかなかったことを悔やんでいた。
今季はミズノオープンで、ツアー初優勝を飾るとその後、破竹の勢いで3勝を挙げて「開幕当初はこんなに活躍が出来るとは思ってもいなかったが、今年は大きなチャンスをもらった。ぜひ最後まで賞金王を狙いたかったのですが・・・」。

シーズン最終戦の開会式では寒さも手伝い痛みはピークに。選手全員の記念撮影で、最前列の中腰も困難で何度も、うめき声を上げた。
「来年は体を鍛え直さなければ」と、苦笑しながらいったん舞台を降りたが、宮里優作が大逆転の賞金王に輝いた最終日は律儀に、恒例の全員出席の表彰式に戻ってきて直接、宮里をたたえる姿があった。

律儀な男は翌月曜日に母国に向けて出発したが結局、Qスクールの出場もかなわなかったようだ。

当日の12月4日は各部門別ランキングの1位者をたたえるジャパンゴルフツアー表彰式が開かれ、ファンやスポンサーの皆さんに向けて、ビデオメッセージで感謝の気持ちを伝えたチャン・キム。

ドライビングディスタンス賞は、昨年の初受賞からさらに記録を伸ばして、自分の最長記録越えの314・24ヤードと、もはや鉄板。

さらに今年はイーグル率賞と、そして何よりツアートーナメントは出場3年以内、またツアートーナメント通算30競技未満の中で、もっとも優秀な成績を収めた選手に贈られる「最優秀新人賞島田トロフィ」の合わせて3冠受賞は、かねがね本人も目指していた「飛ぶだけではない。成績と実力を兼ね添えた選手に」という、理想の選手像にもぴったり重なる1年となった。

「今年このような賞をいただけたこと、非常に光栄で嬉しく思っています。来年は体を鍛えなおして、ゴルフを磨き、また戻ってまいりたいと思います」(チャン・キム)。
来季も日本で大暴れだ!

※最優秀新人賞島田トロフィを受賞したチャンキムには株式会社レオパレス21の深山英世・代表取締役社長様より賞金100万円が贈られました。

またデサントジャパン株式会社の高畑泰宏・第2部門執行役員部門長様より副賞として「水沢ダウンジャケット」が贈られ、選手にかわってピンゴルフジャパン株式会社のウィルヤナギサワ・ツアーディビジョンマネージャー様が表彰台に立たれました。

チャン・キムのドライバーショット
  • 日本ゴルフツアー機構会長の青木功からは記念のトロフィが。何やらとっても楽しげ

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