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川村昌弘は、このまま旅に出ます

このまままた、旅に出ます。
子どものころから夢見てきた舞台。「終わっちゃったな・・・」。
名残は惜しいが悔いはない。4日間。「やるべきことは出来たかな」。
初めての、リンクスコースで初日こそ、77と出遅れたが2日目の4アンダーで、決勝ラウンドに進んでみせた。

最終日は強い風。「難しかったですけど。もっと吹くんじゃないかと思っていたから」。5年前からアジアや欧州ツアーで経験を重ねてきた25歳には、逆に拍子抜けだった。「今日は2クラブくらいなんで。もっと戻された経験も一杯あるので。大丈夫です!!」。
風の影響で、普段より前後するクラブを持たされたといってもこの日はせいぜい2番手くらいで、川村には想定内だった。
「16番も、あの幅の中に打っていけたし17番も、凄い良い球が打てたし、18番も飛んでいた」。上がりの難しい3ホールでも今季課題にしてきた「振り切っていく、というのを変わらずやり通すことが出来た」。
17番のボギーは3パット。
「今日唯一、残念ですけどそれも他で打ち消すくらい良いパットが出来ていたので」。
やっぱり悔いはない。
「悪かったのは、初日だけなんでそれをのぞけば・・・」。言いかけて、「いや“のぞけ”はしないんですけどね」。
苦笑いで自らタラレバをたしなめながら、「2日目から3日間、4アンダーというのは自分で評価できる」。
名のあるジュニアの多くがみな「マスターズ」を目標に掲げる中で、幼いころから川村はずっと全英オープンへの憧れを口にしてきた。
初メジャーは2年前の全米オープンで、すでに済ませてあったが、念願のリンクスデビューはそれを上回る喜びだった。
「子どものころからイメージは変わらない。心のどこかで全英オープンならチャンスがあると思ってきた」。
4日間を戦い抜いて、自分の見立ては間違っていなかったと夢の舞台で肌身に感じられたことも嬉しい。
「また戻って来たい。毎試合積み重ねて世界ランキングを上げて、メジャーに当たり前に来られるように頑張りたい」。

夢の舞台は終わったが、旅はまだしばらく続く。
翌日にも英ヒースロー空港からアムステルダムに飛び、そこからベルギーまで鉄道の旅。さらにシンガポールを経由して今回、最終目的地のフィジーへ。欧・亜ツアーの「フィジーインターナショナル」に出場するまでが、ひとまず今回の旅プラン。

この先、また増える予定の来訪国を指折り数えて「38、39、40・・・と、旅行してきます! 日本には・・・まあ、そのうち帰ります」といつものようにひょうひょうと、「また、どこかでお会いしましょう・・・!」。

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