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全英オープン日本予選上位2位の資格で初メジャー神山隆志は1アンダースタート
だがすぐ3番で左バンカー目玉に入れてボギーとし、「それで、逆に気持ちが楽になった」と笑った神山。
もともと、あまり緊張するタイプではない。
とはいえ、この日はプレッシャーがかかる間もなかった。大会初日は、前日の練習ラウンドとはまるで逆の、南西の風。
「打ったら、すぐにもう次のショットのことを考えている」と、風の対処で頭が一杯だったのだ。
ここロイヤルトルーンは、前半の6番ホールまで一定の風向きが続くが、それも7番から一転。途端にクルクルと向きを変える。選手たちを惑わせる。
ドローヒッターの神山にもいくつか打ちづらいホールがあるが、日大の先輩・丸山茂樹からのアドバイスに忠実に打つことで、助けられた。
練習ラウンドのとき、風の計算に迷って打ち出す方向が決められずにいた神山に「おまえは、どんな場合でもあそこに向かって打てばいいよ」と、いくつかのホールでポイントを教えてくれた。
風がフォローであろうとアゲンストであろうと、目標を決めて「ここ」と決め打ちできれば、迷いも消える。迷いが消えたら「ボールも芯に当たってくれるし」、数字にもきっちりと結果が出てくる。
「とにかく思い切って、左を向いて打て」と言われていた13番では、9メートルを沈めてバーディを奪うなど、丸山のおかげもあって、この日初日の1アンダースタート。「僕の中では上出来です」と、納得の“メジャーデビュー”だ。
それでも、懸念していたリンクスコースならではの「アンラッキー」が、この日ほとんどなかったことには、かえって気持ちも引き締まる。トッププレーヤーでさえ、1 ホール11を打つ選手もいるほどだ。どんなハプニングが起きるかわからないのが全英オープン。「明日は、今日よりもっと、目の前の1打に集中していく」。初日の好スタートにも、浮かれている暇はない。
写真=「今日はアンラッキーもなかったし、風には悩まされたけど、楽しくやれました!」と、この日初日の神山は、終始笑顔の絶えないラウンドだった。