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“戦う選手会事務局長” 池田勇太が入国制限の大幅緩和を報告
新型コロナウィルスによる入国制限が、その出場を阻んだ。
今週、開催予定だった「パナソニックオープン(9月24日ー27日、京都府・城陽カントリー倶楽部)」が中止となったのも、全関係者の健康と安全確保の観点はもちろん、大会が日本とアジアンツアーの共同開催であったことも、大きな要因だった。
両ツアーで半数ずつ出場枠を分け合い、世界各国のトッププロが集まり、しのぎを削る。
このコロナ禍では、なおさら開催のハードルが高かった大会のひとつだ。
一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)と、ジャパンゴルフツアー選手会では、その間も、入国の制限緩和を求めて政府への働きかけを継続。
その中心となって動いてきたのが今年、選手会の「事務局長」に就任した池田勇太である。
7月と、9月初旬には、JGTO会長の青木功と共に、西村康稔・経済再生担当大臣(コロナ担当大臣)と、スポーツ庁の鈴木大地・長官を訪問して直々に陳情。現状打破に、尽力してきた。
その結果、スポーツ庁から、「海外に住むジャパンゴルフツアーメンバーの入国に関して、優先的に取り扱う」との嬉しい通知を受けたのは、つい先日。さっそく、今季の出場資格を持つ205選手に一斉メールで報告。現在は、JGTOの事務局員らと共に、そのための書類作成と手続きを、開始したところだ。
今年のトーナメントは、そのほとんどが中止や延期に追い込まれたが、「海外選手のみなさんには1試合でも早く、戻ってきてもらえるように」。一刻も早く、全シード選手が揃う形でのツアー開催を目指して奔走が続く。
池田が、史上最年少でジャパンゴルフツアーの「選手会長」に就任したのは2013年。この年は、「パナソニックオープン」が開催の一時休止を発表されたのと、たまたま時期が重なった。
当時、試合数の増加を第一の公約に掲げ、重責を負ったばかりの池田の落胆は大きかったが、「また必ず開催する」と約束してくださった主催の「パナソニック株式会社」の方々の言葉を励みに、試合のない間も交流を深めて、3年務めてのちの2016年に、大会の復活が実現。
その元年に、池田は自身の大会初制覇という願ってもない形で、主催者の恩情に応えることができたのだった。
あれから5年目を迎えた今年は未知のウィルスによって、2度目の開催休止に見舞われたが「パナソニックオープンで活躍できればアジアンツアーの出場権も得られ、世界進出への足掛かりにもなる大変、貴重な試合のひとつ。来年、またぜひ開催していただけるように、僕ら選手もできる限りのことをしていくつもりです」。
本来の開催週に、今は“戦う選手会 事務局長”として、再奮闘を誓った。