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SMBCシンガポールオープン 2020
向こうで松山英樹と誕生会。木下稜介が初の全英切符
最後の18番、1メートルのバーディパットは、震えながら打った。
「自分がどこの位置にいるかもわからなかったし、全英に行けるかもわからないけど、とにかく入れなきゃいけない。終わり5ホールくらいは、意識しながらのプレー」。
残り4ホールになった15番では第1打を池。16番ではバンカーからの2打目をグリーン左に落とした。立て続けのピンチも、しぶとくパーを拾ってボギーなしでまとめた。
17番では、10メートルものスライスラインを沈めてガッツポーズも出た。
賞金ランク34位で昨シーズンを終えてすぐに、吐くほど辛いトレーニングに汗した。おかげで灼熱のシンガポールで、最終日にバテ知らずの「67」。上りの連続バーディで、土壇場の出場圏内に飛びこんだ。
昨年、やはり全英オープンの予選を兼ねた「ミズノオープン」では、初日に令和最初のアルバトロスを達成。V争いを繰り広げたが、出場権には2打足りない5位タイ。惜敗を悔しがっていた。
「あのリベンジも出来た」。
昨年、初出場を果たした年下の浅地洋佑から大会特有のリンクスコースは「日本人向き」と聞いて、ますます出たい気持ちがあった。
前夜、インターネットで全英オープンの日程を調べて、ちょうど大会初日が29歳の誕生日にあたることにも気づいた。
「いいプレゼントをもらえた。風も強いが、自分は得意。ただ行くだけでなく、しっかり準備して戦いたい」。
ジュニア時代から旧知の松山英樹とメジャー舞台での再会も楽しみだ。「質問はいっぱいある。練習ラウンドも一緒にしたい」。
ついでに、向こうで誕生日も祝ってもらおう。