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東建ホームメイトカップ 2019

平成最後の最終日も「時代は関係ない」。つれないヒロシもV争い

サイン、しますよ。
平成と令和のはざまの開催に沸く男子ゴルフの国内開幕戦でひとり、影をまとったかのような風情でたたずむのがプロ15年目の38歳、岩田寛だ。

大会は決勝ラウンドに入り、スコアの大きな変動が起きる3日目土曜日の“ムービングサタデー”にボギーなしの67。
前日の通算4アンダーの22位タイから首位と2打差の4位タイまで浮上したが「むしろヘコみますね」。

なぜならもうここ数年、思うようなショットが打てない。
「なんかボールに力が伝わらない。それでリキんで変なところにいく。なかなか上手くなんない」。
前日2日目の17番で、6番アイアンを握った残り206ヤードの2打目は、久々に手ごたえのあるショットが打てたと思ったら、「それ30ヤードもショートしました」と、がっくり。「根本から間違っているかもしれない…」。

16年に転戦した米ツアーで調子を崩して「その時はツマらないと思っていたが、今思えば楽しかった」と再挑戦の希望はあるが、今はまだ遠い道のり。
7年お世話になったメーカーと契約解消。今年はどことも提携しないで戦うこととなり、このオフは様々な道具を試してきて気づいたのは「クラブは何使ってもいい」ってこと。
つまり、納得して打てないのは道具のせいではなく「自分がよくないから」。
肝に銘じて日々真摯に取り組むが「ゴルフに集中できない。インパクトのことばっかり考えちゃう」。
そのために、ゲームが二の次になるのはいただけない。

「みなさん(報道陣)ともスイングの話ばっかり。ほかの話もしたいんですけど…。ほかに話がありません」と開幕早々から、悩み深きヒロシのいつもの禅問答。
今年の国内開幕戦は、平成最後のトーナメントということもあって、それをモチベーションに据える選手も多いが「僕は…ないです。優勝は嬉しいですけど、時代は関係ないので…」と、つれなかった。

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