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三井住友VISA太平洋マスターズ 2020

おかえり、チャン・キム

ドライビングディスタンス1位のソーシャルディスタンス
ワールドクラスの飛ばし屋が、やっと帰ってきた。昨季の賞金ランク4位のチャン・キムは「日本が凄く大好きなので、戻ってこられて本当に嬉しいです」。
11月もすでに半ばの今季初戦を喜んだ。

久しぶりに見上げる霊峰は、コロナ禍でも変わらずに美しい。「やっぱり、最高だね!」。
開幕を前日に控えた11日の水曜日は、タイのガン・チャルングンらと、富士の裾野で2週ぶりのラウンドを堪能した。

先月の米「ZOZOチャンピオンシップ」から、その足で今年の初来日を果たした。
27日に成田に到着して、空港近くのホテルで2週間。
「コンビニとマックに行って、あとはずっと部屋にいる、みたいな」。
隔離期間は、思った以上に窮屈だった。
「パター練習ならできるかな、と思ったんだけど。部屋が狭すぎ、笑」。素振りなんて、もってのほか。
身長188センチの大男には、日本のビジネスホテルは規格外。

「おかげで今日の練習ラウンドはいいとこなし! 飛距離も落ちちゃってるし…」と、いっても1Wのティショットで、300ヤード未満のホールはひとつもなし。

自身3度目の飛距離日本一を獲得した昨季は、歴代最高の315.83ヤードを記録。
破格の豪打は何があっても衰え知らず。
「まあ……なんとかなりそうかな?」。
1日限りの調整で、どうにか折り合いをつけて本戦に向かう。

コロナ禍による、入国制限緩和の通知が選手会から届いたのは9月末。すぐに新規のビザ発給の手続きを開始したという。
「ZOZOの月曜日に大使館に申請を出して、金曜日には受け取れた。おかげでとてもスムーズでしたよ!」。

海外に住むジャパンゴルフツアーメンバーのために、JGTOや選手会が一丸で、日本政府に働きかけていたことは、キムももちろん知っている。
「僕らのために尽力してくださったことを、本当に感謝しています」。
キムは、一も二もなく今大会の出場を決めたが一方で、今回は出場を見合わせた他の海外勢の思いも理解できる。

仲良しのスンス・ハンも言っていたそうだ。
「彼らの場合は韓国ツアーを戦いながら、日本にも行って、2週間の隔離を経ていきなり試合、というのは…。実際には、けっして楽なことではない。隔離がなくならない限りは、と考えるのも、当然と思う」と、友人を思いやったキム。
「僕は受け入れられたけど……みんなまだまだ、難しい判断を迫られている」。

終息の気配が見えない現状を、自身のプレーで打破したい。
「今週の目標は、もちろん優勝ができれば最高」。
勝者には、来年1月の「ソニーオープン・イン・ハワイ」の出場権が得られることが、つい前日に発表されたばかりだ。

「仮に、優勝は無理でも、トップ3でJTへ!」。
異例の出場資格が付与された、今季のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ(12月3日ー6日、東京よみうりカントリークラブ)」も励み。

それと、久々の来日で、一番のお目当てといったらやっぱりこれしかないでしょう。
「嗚呼…、日本食が本当に楽しみですぅ」。
1年ぶりの御殿場ナイト。今晩のチョイスは何かな?

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