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川村昌弘のダイヤモンドウィ〜〜〜ク!!【プロローグ】
自身のツアー初優勝を、日亜共同主管の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ(現タイトル)」で飾った。これを機に、大会主催の三菱商事とサポート契約。各国駐在員の方々を支えに世界中を飛び回るホストプロは、人呼んで”旅人ゴルファー”。
川村昌弘にとって、今週はおそらく今年日本で唯一の出場試合になるはずだった。
かねてより、目標としていた欧州ツアーの初シード入りを実現させたのは、プロ9年目の昨シーズン。
今季は存分に股を掛けるつもりで年頭から、この4月ー5月もマレーシアから中国、スペインからいったん、日本に帰国。大事なスポンサー試合のダイヤモンドカップ出場へ」と、すでに過密スケジュールを立ててあった。
しかし3月初めから、三重県四日市の自宅に居座り続けて早くも2か月。
福井工業大付属福井高校時代はナショナルチームで活躍した。
「卒業後は、すぐにプロになりましたし、こんなに長く日本にいるのは、ほんとうにジュニアの頃以来ですね」。
ゴルフをしながら世界中を旅して回ることが夢だった。それだけに昨今の”ステイホーム”は、26歳にも堪える。
「でも仕方ないですね。世の中が平和であることが、スポーツの大前提ですし、特にヨーロッパの状況は、今もだいぶ悪いですから…」。
大混乱の最初の余波は今年3月、中東のカタールで受けた。「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」の期間中に、次々週の「ヒーローインディアンオープン」の開催国インドがコロナ禍の影響を受けて、未入国の日本人に発行済みのビザを無効にすると発表。
欧州ツアーのスタッフが、再発給に尽力してくれたが、インドが取った措置は堅牢だった。川村も当地で再発給のための書類作りに奔走したが、結局くつがえることはなかった。次週の「ケニアオープン」はすでに延期が決まっていたこともあり、いったん帰国を決断。
そうこうしているうちに、情勢はますます深刻化して、他大会も次々と中止や延期を発表していったのだった。
もちろん、状況は日本ツアーも同様で、残念無念の自宅待機中。
今週は、特に日本のファンのみなさんの前でプレーできる今年の唯一の機会と楽しみにしていたのだ。
「大会の結果は主催の三菱商事さんの社内報でも掲載されますし、各地でお世話になった方々に『頑張ってるな』というところを見ていただくには、この大会で活躍することが、いちばん。
毎回、そう思って頑張ってきましたが、今年はそれもなくなってしまいました。
また、世界的に厳しいこの状況で、各地に散らばる駐在員のみなさんが、お元気でおられるかどうかもすごく気になりますし…」。
シード1年目の今季は欧州ツアーを転戦しながら各国で、駐在員の方々と予定していた会食の約束も、軒並みキャンセル。
旅にも出られず、プレーすらお見せできない寂しい当週を、どうにか穴埋めできないかと川村は考えた。
「僕が行く先々で出会って、インスピレーションをもらった選手や、印象に残っている大会や、グルメなどについてこの場をお借りして、お話しさせていただくことにしました。みなさんに少しでも楽しんでいただけたら…」。
題して「川村昌弘のダイヤモンドウィ〜〜〜ク!」。
大会2日目にあたる8日に掲載予定の第1回は「大好きな国、インド編」。
まーくんのきらきら珠玉のおみやげ話。お楽しみに!!